第三章
[8]前話
その引いた顔で友人達にこう言った。
「別に犯罪じゃないし」
「それはね」
「悪いことかっていうと」
「そうじゃないわね」
「別にね」
「そうよね」
「それに本人も幸せそうだしね」
それでというのだ。
「いいかしら」
「そうね、別にね」
「犯罪でもないし本人がそれでいいなら」
「それならね」
「もういいわね」
「別にね」
友人達もこう言ってだった。
茜の結婚に社交辞令でお祝いのメールを送った、すると茜は一人一人に歓喜の返事を送ってきた。
それから茜は幸せな大学そして彼女なりの同棲生活を楽しんだ、それからは就職したが三十前になって。
自分の結婚を間近に控え知り合いに招待をする中で大学時代の友人達にも招待状を送り茜にもそうすると。
茜はスマートフォンで快諾の連絡をしてからこう言った。
「実はあたしも結婚するのよ」
「えっ、あんた結婚してるでしょ」
千晶は彼女とアニメキャラのそれを言った。
「だから」
「いや、二次の旦那さんは彼でね」
「三次元ではなの」
「就職して趣味の合う人と知り合ってね」
茜は千晶に嬉しそうに話した。
「それでなのよ」
「今度は三次元の人と結婚するの」
「彼も二次元の奥さんいるけれど」
相手もというのだ。
「三次元はあたしだって言ってくれてるの」
「それでなの」
「今度結婚するから宜しくね」
「それでその時になの」
「千晶も他の娘達も招待するから」
大学時代の友人達もというのだ。
「宜しくね」」
「ええ、わかったわ」
千晶は茜に応えた、そしてだった。
自分の結婚式に丸眼鏡で小太りの彼と仲良く出席した茜を見た、そしてその後の茜の結婚式において。
その彼と一緒にいてウエディングドレス姿ではしゃぐ彼女を見た、それから聞いた話では夫婦で三次元だけでなく二次元の伴侶とも仲良くしていると聞いた。主婦になった彼女はそれも幸せなのかと首を傾げさせながらも頷いたのだった。
幸せな結婚 完
2021・10・22
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