第百十一話 怪物達、また騒動を起こすのことその二
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「自信だから」
「自信ですか」
「貴女は頭もいいし」
そしてだというのだ。
「それに絵も上手だし」
「絵はその」
「歌も聴いてるから」
それもだ。孫権は知っているというのだ。
「あの歌なら大丈夫よ」
「そうでしょうか」
「ええ、自信を持って出ていいわ」
「その自信ですか」
「自信は上手くいけばできるものなのよ」
孫権はこのことを呂蒙に話していく。
「だから安心して出なさい」
「蓮華様がそう仰るのなら」
「私も出るし」
ひいてはだ。彼女自身もだというのだ。
「明命とね」
「そうですか。明命殿と」
「穏や小蓮達とも出るし」
彼女は二つだった。
「結構忙しいのよ」
「そういえば蓮華様は」
「これでも歌は好きなの」
孫権の意外な趣味だった。
「だからね」
「そうですか。では」
「ええ、お互いにね」
「頑張りましょう」
「その頑張るという言葉も」
その言葉自体もだ。どうかと話す孫権だった。
「貴女が言うと説得力があるのよ」
「私が言えばですか」
「そうよ。貴女が言えばね」
それでどうかというのだ。
「それは非常に大きな意味があるのよ」
「それはどうしてでしょうか」
「誠意よ」
これが大事だというのだ。
「誠意があるからよ」
「私に誠意がですか」
「不誠実な人間はいるわ」
孫権もわかっていた。これまで多くの人間を見てきて。
「そうした人間が同じことを言ってもね」
「何の説得力もないんですね」
「その通りよ。亞莎はそこも違うから」
呂蒙の誠実で生真面目な性格は広く知られる様になっていた。彼女の軍師としての才覚も絵や歌の資質もだ。その気質故なのだ。
それがいいとだ。孫権は言うのである。
「だからその言葉は言っていいの」
「私だから」
「そういうことよ」
こう話してだった。孫権は呂蒙の後押しをしたのだった。そうしてだ。
彼女自身も大会に出る。かなりの人間が出ることになっていた。しかしだ。
袁紹はだ。観客席、わざわざ自分専用の見事な席を作らせてだ。憮然とした顔でそこに座りだ。そうして顔良達にこんなことを言っていた。
「不満ですわ」
「あの、そもそも麗羽様歌われませんし」
「別にいいんじゃないんですか?」
「歌は宜しいですわ」
別にだ。自分は歌えずともだというのだ。
「こうして聴ければいいですわ」
「ではあれですか」
「鰻ですか」
「あれが認められなかったのが残念ですわ」
こう言うのである。
「華琳も駄目だと言いますし」
「そんなこと当然ですよ」
「曹操さんが正しいですよ」
顔良と文醜が正論である。しかし今の袁紹は。
憮然としてだ。駄々をこねるのだった。
「ではあの鰻と納豆と海鼠と山芋はどうしてもなのです
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