第三章
[8]前話
「お店のコンサルタントもされてるそうよ」
「愛里ちゃんのお店の」
「うちのお母さんが言ってたわ」
その様にというのだ。
「尊敬してるってね」
「そうだったの」
「それで歳を取っても」
愛里はさらに話した。
「努力して奇麗でいようと思ったら」
「お母さんみたいになの」
「なれるってね」
「そう言われたの」
「そうなの、鼓子ちゃんのお母さんみたいに」
「お母さん凄い人だったのね」
鼓子は言われて気付いた。
「そうだったのね」
「そうよ、あんなに凄い人なんて思わなかったわ」
愛里はこうも言った。
「だから今度鼓子ちゃんのお家に遊びに行っていい?」
「お母さん見たいの?」
「お話したいわ、いいかしら」
「愛里ちゃんがいいなら」
「じゃあお願いね」
「うん、来てね」
こう話してだった。
愛里は鼓子の家によく行ってそうして彼女の母親に会って色々な話を聞く様になった。そして美容についての知識を得て後の人生に活かす様になった。そして自分が五十になって結婚して子供も大きくなった時に時に今も友人である鼓子に言った。勿論鼓子も結婚して既に大きな子供がいる。それも何人も。
「鼓子ちゃんのお母さんのアドバイスがあって」
「それでなのね」
「今も美容に気をつけてね」
それでというのだ。
「三十歳って言われるわ」
「よかったわね、私もお母さんの言う通りにしてたら」
鼓子も言った。
「若いって言われるわ」
「年齢を重ねても注意していたら」
「若く見えるわね」
「そういうことね」
「お母さんまだ元気だしね」
鼓子は笑顔でこうも言った、そして愛里にスマートフォンで彼女の画像を見せるとそこには九十近いとはとても思えない女性がにこりと笑っていた。藍里はその女性を見てかくありたいと思うのだった。
美魔女の恐ろしさ 完
2021・10・21
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