第一話 幸せとは何かその六
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「やっぱりね」
「幸せなのね」
「そうなの、じゃあまた歌って」
「そうしても幸せになるのね」
「そうなるわ」
こう言ってだった。
かな恵は歌った、歌った曲は人気アイドルグループのヒット曲だった。かな恵が歌うと一華も歌った。
そして五人で楽しく飲んで食べて歌ってだった。
カラオケを満喫した、そしてだった。
店を出た時留奈はすっかり暗くなった道の中で言った。
「さて、帰るけれど」
「どうしたの?」
「いや、皆酔ってるからね」
こう理虹に話した。
「足下気をつけないとね」
「こけない様に」
「そう、暗いしね」
「そうね、じゃあ足下に気をつけてね」
「団地に帰ろう」
五人共社宅であるそこに暮らしている、五人共親は八条グループの企業に勤めていた社宅である集合団地に暮らしているのだ。五人も八条学園高等部の学生である。
「そうしよう」
「それじゃあね」
「それとね」
「それと?」
「車にもを気をつけて」
留奈はこちらもと言った。
「歩道だけれどね、進の」
「交差点もあるからね、途中」
「だからね」
それでというのだ。
「車にも気をつけて」
「帰ることね」
「そうしよう」
「かな恵大丈夫?」
一華は自分の隣で笑顔でふらふらしているかな恵に声をかけた。
「滅茶苦茶酔ってるじゃない」
「大丈夫よ」
かな恵自身はこう返した。
「全くね」
「そうは見えないわよ」
「これ位いつもじゃない」
「いつもが危なっかしいのよ」
「肩貸すわよ」
富美子が言ってきた。
「ほら、だから動かないで」
「大丈夫だって」
「大丈夫に見えないから言うのよ」
富美子もこう返した。
「だからね」
「それでなの」
「そう、ふらふらだから」
「大丈夫、自分で歩くから」
「彼氏呼ぶ?」
一華はこう提案した。
「この娘の」
「成海君?」
「彼ね」
「そうね、かな恵携帯出して」
富美子は一華の提案を受けてかな恵に言った。
「ちょっとあんたの彼氏に来てもらうから」
「成海君に?どうして?」
「あんた連れて帰ってもらうからよ」
こうかな恵に告げた。
「だからよ」
「大丈夫よ、私帰られるわよ」
「もう満足に歩けてないじゃない」
「大丈夫大丈夫」
「大丈夫じゃない、ほら出して」
「それじゃあ」
酔っていてもだった、かな恵は富美子の言葉を受けて自分の携帯を出して富美子に手渡した、そしてだった。
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