第一話 幸せとは何かその五
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「お家があって家族がいてお友達がいたら」
「もうそれでなの」
「幸せじゃないかしら。あと平和だったら」
それならというのだ。
「物凄くね」
「幸せなのね」
「そう思うわ、幸せってね」
それはというのだ。
「私達が思ってる普通がね」
「それなの」
「そうじゃない?」
「案外平凡なものなの」
「そう思うけれど」
「素敵な彼氏がいてお金持ちになって」
一華は考える顔で言ってきた。
「そういうのじゃないのね」
「お金あったら確かにいいわね」
かな恵もその通りだと頷いた、彼女にしても金があることはどういうことなのかとよくわかっているからだ。
「本当にね」
「そうでしょ、お金持ちだったら」
「それだけね」
「幸せじゃないかしら」
「まあね、ただな」
「ただ?」
「お金があっても不幸せな人もいるわよ」
一華に考える顔で話した。
「身体の調子悪かったり遺産のことで揉めていたり」
「ああ、そうした理由で」
「不幸な人もね」
金持ち即ち資産家でもというのだ。
「いるからね」
「お金があってもなのね」
「それだけで幸せかっていうと」
「そうでもないのね」
「そうじゃない?というかどれだけ恵まれていても」
そうした環境でもというのだ。
「不平不満ばかりだと」
「幸せじゃないのね」
「そうじゃないかしら」
「周りからそう思っていても」
「自分がそうだとね」
不平不満ばかり感じていると、というのだ。
「逆にお金がない、トラブルばかり、そんなのでもね」
「何かライトノベルの主人公みたいな環境でも」
「幸せだって思っていれば」
それならというのだ。
「やっぱりね」
「幸せなのね」
「そうじゃない?」
「じゃあ自分が幸せって思えば」
「そうかもね、少なくとも私今幸せだって思ってるわ」
かな恵はまた赤ワインを飲みつつ話した。
「皆と遊んでお酒も飲んでるから」
「だからなのね」
「幸せよ」
「かな恵はそうなのね」
「凄くね」
こう言うのだった。
「そう思ってるわ、というかお酒飲んでいたら」
「あんたは幸せなのね」
「お酒大好きだから」
言いつつさらに飲む。
「本当にね」
「それだけで幸せになれるのね」
「勿論他のことをしてても」
「幸せなの」
「そう思う時があるわ、よくね」
「よくなの」
「そう。皆と楽しく遊べても」
それでもというのだ。
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