第三章
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「スマートフォンのゲームだと」
「してないわよ」
妻は夫の問いにあっさりと答えた。
「インターネットのゲームもしてるけれど」
「それはしないんだ」
「立ってああしたことはお金幾らあっても足りないから」
だからだというのだ。
「それで何百万使うとかね」
「しないんだ」
「ええ、遊ぶだけよ」
金を使わずにというのだ。
「それだけよ」
「そうなんだ」
「そう、そっちも怖いお話聞くし」
「不倫と同じで」
「エイズや梅毒になるのと借金地獄になってね」
そうしてというのだ。
「家庭崩壊なんてしたら駄目だから」
「何か生々しいね」
「そういうお話聞いてるから」
「そうしたことはしないんだ」
「そう、絶対にね」
何があってもという返事だった。
「そういうことでね」
「お金あってもしないんだね」
「あってもなくてもでしょ、じゃあお風呂入るまでね」
「ゲームしているんだ」
「何かあったら言ってね」
「それじゃあね。確かに不倫や浪費に走るよりずっといいね」
夫はゲームに課金をせずに夢中になる妻を見て言った。
「ゲームに夢中になるなら」
「そうよね」
「じゃあ楽しんでね」
「そうさせてもらうわ」
こう夫に答えた、だが。
入浴の後夫婦で夜の生活は楽しんだ、そして仕事に復帰する前に妊娠して男の子が出来るとだった。
今度は子育てに忙しくなった、やはり使用人の人がいるが彼女は今度はそちらにかなりの時間を割く様になり夫に言った。
「母親失格だけれどゲーム出来る時間が減ったのは残念ね」
「すっかりゲーム好きになったね」
「いや、自分でもそうなるとは思わなかったわ」
「それでもゲームはするんだ」
「もうゲームなしではいられないわ」
自分でこう言った。
「だからね」
「これからもなんだ」
「子供育てて一段落して仕事に戻っても」
それでもというのだ。
「悪いことじゃないならいいでしょ」
「うん、課金とか夢中になり過ぎて事故とか起こさなかったら」
夫は釘を刺すことも忘れなかった。
「それじゃあね」
「そこは気をつけていくわ」
「くれぐれもね」
今もゲームに夢中な妻に言った、だが彼女は課金もせず夢中になり過ぎて問題も起こさなかった。子供がする様なゲームを多くしてもだった。何も悪いことが起こらないのならそれでいいと納得した。誰にも迷惑をかけないので。そして晶子もそれならいいわよねと言ってゲームを続けていった。暇潰しから生きがいになっていても。
課金はしない 完
2021・10・21
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