第十話 モテたい年頃のキリト君(キリット part2
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そして手にしていた剣をソードスキルのライトエフェクトで光らせ、片手直剣四連撃技「バーチカルスクエア」を発動。
その剣先は、自らの投げた八本のナイフに貫かれながらも……未だヒットポイントバーを全損させておらず、最後の力を振り絞ってグラント達に不意打ちをしようとしていた巨大ドワーフの腕を切り飛ばしたのだ。
「これで……終わりだ!!」
そして呆気にとられているグラント達を他所に、キリトの渾身の四撃目がボスの眉間を切り裂くと。
晴れて、その巨人ドワーフは大きく断絶魔をあげたのち……光の破片となりその場で砕け散った。
「……すごーいっ!!
キリト、かっこ良かったよ!」
その後ほんの少しの間流れた沈黙を破ったのは水色の少女、サチだった。
この非常時に無意識にキリトが行った攻略組顔負けの動きに心を奪われているようだった、その目はキラキラと輝いていて、剣を鞘に戻し肩から力を抜いたキリトにぐいっと詰め寄る。
皆の衆、おわかりだろうか。これこそが、キリトがキリトたる所以、キリトが何故か持って生まれ出でた能力。
「……なんだか知らないけど、キリトってちょうど良くカッコいいよなー。ラストアタックまで決めて、サチさんにはモテるんだからなぁ」
『(*´ー`*)ウンウン』
戦闘の終わりを悟ってこちらも剣を納めるハルキが、目の前でサチに照れた顔を向けるキリトを見てそう、呆れたように言った。そしてそんな彼女に、トミィもオルスもほっこりとした様子で頷く。
そうして、このダンジョンの攻略は平和に終わった……かのように思えたのだが。
「………違う」
「÷○°♪〆$>>°#??」
……まーた盾男が、せっかくの雰囲気をぶち壊そうとしております。
「……違う違う違うなんかちがう!!!
ちっくしょー!! キリトめ、覚えてろよ!! 折角さっきまで俺がめっちゃカッコいい感じだったのによー!!
三日三晩考えて編み出したふる?かうんたーがこれじゃかませ犬扱いじゃねーかチクショー!!」
「あーはいはい、見苦しいから帰るぞグラント」
『( ^ω^ )プププ』
全く悪気のないキリトとサチを他所に、ハルキが哀れな落ち武者男の首根っこを掴む。そして意外とトミィの煽りが目立っている今日この頃である。グラント達ギルメンの戦い方も少しずつ確立して来ていて、ああ平和な日常である。
「……ん? なんだよメッセージか、こんな時に誰だよ……?」
そう、この瞬間までは、ハルキの胸中も平和だったと言えたのだ。
「…………そんな、馬鹿な」
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