第十話 モテたい年頃のキリト君(キリット part2
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った現状においてはほぼ死にスキル扱いされていたのだが。
だがそもそもタンク仕様でないグラント、何とここでその赤く輝く盾を……振りかぶったのである。
「そら、とってこーい!!」
先ほどの盾スキルの効果をもう一度、ここに記す。
「既に発動した技も含めてその後の攻撃を盾に一定時間引き寄せる」。
→「攻撃を盾に一定時間引き寄せる」。
→「盾に引き寄せる」。
→「盾に」。
そう、なんとこのスキルは使用したプレイヤーではなく、彼らの持つ盾に攻撃を引き寄せる技なのである。これがどういう事か、お分かり頂けるだろうか。
つまりである。ハウリングホールでナイフを引き寄せておいて、その盾をボスに向かって投げれば……ボスに向かって飛んでいく盾を追いかけて、ナイフもボスへと迫っていき。
「ふる?かうんたーっ!!」
……対遠距離攻撃用カウンター技の完成である。今現在彼らの目の前で、巨大ドワーフは自らの投げた八本のナイフに狙い誤らずに貫かれていた。
「ま……まじか………!!」
「き、キリト……? 目が怖いことになってるよ……?」
攻略最前線を離れて長らく忘れていた戦闘狂ゲーマーとしての本能をくすぐられ、思わずマジ顔になってしまったキリト……そしてそんな彼にドン引きしているサチ。
だが彼の気持ちも考えて欲しい。そりゃそうだ、フロアボスに始まりどのモンスターにしろ、基本的にその攻略法は前衛が相手の攻撃を防ぎながら後衛が体力補給をして、ローテを組みながら戦うというものである。
だからこそ、時折モンスターの放つ広範囲攻撃、ないしは遠距離攻撃はそのサイクルを破壊しうる要警戒事項であり、それを乗り越えるために攻略組も必死になって相手の挙動を見てパターンを覚えようとしているというのに。
だが、今回のグラントの「ふる?かうんたー」は、そんな常識を一気に覆すものなのだ。だってそれするだけで遠距離攻撃ぜーんぶ相手に跳ね返せるし。
「うまく決まったみたいじゃん、良かったなグラント」
「まあねー、それほどデモー……あるね」
『(≧∇≦)』
「#$+♪÷*●/&\\!!」
どうやら先ほどの盾の投擲も、オルスと同じでチャクラムのソードスキルを使っていたようである、何事もなかったかの様に戻ってきた盾を再び腕に通すグラント。そしてそんな彼を中心に、彼のギルドのメンバーが集まっていった。
「――――――危ない!!!」
「えっ、キリト!?」
その時だった。自分達の出る幕はなかったなと苦々しく思いながらも、グラント達の元へと歩き出していたサチの横を、黒コートが一瞬で駆け抜けた。
「させないっ!!」
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