第十話 モテたい年頃のキリト君(キリット part2
[4/7]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初
くっているのである。あ、ちょっとオルスが前に出たっぽいけど。
「と、とにかく、私たちもハルキさんをサポートしなきゃ!ずっとあれじゃあ疲れちゃうもんね!」
「……っ!? いや、待てサチ!!」
だがそんな時だった。
ボスのヒットポイントゲージがイエローゾーンからレッドゾーンの領域に達した瞬間、その巨大ドワーフは耳をつんざくような咆哮をあげ……そして手にしていた武器を足元に置いたかと思うと、なんと下半身に辛うじて纏っているボロっちい腰巻から、片手に四本、両手に八本の小型ナイフ(そもそもが巨大なのでプレイヤーからすれば巨大ナイフ)を取り出したのだ。
「まずい!! みんな、構えろ!!」
そしてそれをいち早く察知したキリトがサチとグラント達に警告しようするより早く、巨大ドワーフはそれらをプレイヤー達に向けて投げつけてきたのだった。
今まで単純な近接攻撃しか行ってこなかった事もあり、その場にいるプレイヤーの殆どが反応できなかった………。
そう、殆ど。正確には一人を除いて。
「おーし、俺の出番かな」
グラントである。ここまでギルメンを煽ったり励ましたりしながらも、何だかんだ実は何もしてねーなお前というヤツだったグラントが、ここで反応である。
そんなおバカ落武者男が一体何をするのかと、自分達に向かって飛んでくる巨大ナイフに身構えながらもその場にいる全員が彼を見やる中、当の本人は盾を大きく上に掲げる。するとその盾……一層のあのコボルドの洞窟から使い続けている愛盾が赤く光り始めた。
「全ナイフ諸君に告ぐ! みんなこっちこーい!!」
盾ソードスキル、「ハウリングホール」。
記念すべきグラントの発動した、二つ目の盾ソードスキルである。ちなみに出元のない本作オリジナル技なので注意。
基本的にはタンク仕様のプレイヤーがよく使う「威嚇」と同じ効果である。モンスターのヘイトを集めて自らに注意を惹かせるというものなのだが。
だけどもこのスキルにはもう一つ、独特な特徴がある。それは今正にグラントが行った様に、「既に発動した技も含めてその後の攻撃を盾に一定時間引き寄せる」というものだ。よって、ボスから放たれた巨大ナイフは一本残らずその矛先を切り替え、物理法則的におかしな軌道でグラントに向かって迫り始めていた。
「うむ、近う寄れ、ちこーよれ……今だ!」
もちろん、ここで普通のタンクならその攻撃を一歩も引かずに全て受け止めるのがセオリーである。というかそもそも攻撃が引き寄せられているので避けようがないわけで、だからこそこのスキルはよほどヒットポイントが高いプレイヤーが使用しない限りはリスクがとても大きく、一度死んだらお終いのデスゲームとな
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ