第十話 モテたい年頃のキリト君(キリット part2
[3/7]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初
ネズハ。
アインクラッド第二層で勃発した、「強化詐欺」事件の犯人の一人である。
FNC……VR環境に対して通常の適性がなく、フルダイブ時に一部の知覚障害を抱えてしまうというペナルティを負った彼は、それでも同じギルドのメンバーの役に立ちたいと思い立ち、とある男の悪魔の囁きに屈してプレイヤーから装備を奪って換金するという深刻な事件を起こしてしまった。
せめて罪滅ぼしをしたいと願ったネズハに、当時事件の真相を突き止めたキリトとアスナは……二層フロアボス対策として、ある武器を彼に手渡し、その習得を提案したのだった。
「間違いない……! あれはチャクラムのソードスキルだ!!」
そう、チャクラムである。
ブーメランみたいに手元に帰ってくる投擲武器。ただの投擲スキルとは別にサブカテゴリとしてチャクラム専用のスキルが存在し、そしてその習得条件は、チャクラムを一度でも装備をした事がある上で……「体術スキル」を習得する事。
所詮二層で手に入る武器なんぞ耐久値はたかが知れている。だがそのチャクラムはいくら敵を攻撃しようと全く破壊する気配はない。
その秘訣こそが、チャクラムのソードスキル……威力はやや落ちるものの、投擲したアイテムの耐久値を減らす事なく相手にダメージを与え、尚且つ手元に帰ってくるという、破格の性能によるものなのだ。
そしてオルスは今そのソードスキルの恩恵を十二分に味わっていた。メイスを水平になるように持って後ろに引くと、チャクラム用ソードスキルの発動を示すライトエフェクトが生じ……直後にその武器が彼から放たれ、したたかに巨大ドワーフの「男子の急所」を打ち据えて手元に帰ってくる。オイ。
「なんだこれ……ここSAOだぞ……遠距離攻撃手段がないのが特徴のSAOだぞ……!?」
「キリト、顔が凄いことになってるよ……?」
サチから心配の声が上がるが、まぁ無理はないだろう。みーんな遠くから攻撃できないからこそ、必死にタンクだのスイッチだの独自のシステム外スキルを身に付けようと努力していたのだから。
「ぐっ……くそっ、おい、トミィは良いとしてオルスも盾男も! 前衛俺にばっか任せるなよ! いい加減休みたいんだけどぉっ!?」
『(´ε`;)』
「えーっ、めんどくさー。じゃあオルス、前に出てやってー」
「*▲※△#?%◎:!!」
残念ながらハルくんはいつもどーりである。残念。ソードスキルないし。しょうがないよね。結果として前衛一人になりつつある現状はどうかと思うけど。
そう、キリトたちが見ているのはまさにその異様な光景である。ギルド全体(マソップ除く)でボスに挑んでいるというのに、ハルキ一人を前に出してあと全員が、周りからなんか色んなものを投げま
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ