第十話 モテたい年頃のキリト君(キリット part2
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でも誘爆してこちらに多大なダメージを与えるトラップアイテム、「溶岩石のかけら」が大量に存在していた。
それは逆に言えばその場のモンスターを爆発に巻き込んで広範囲に大きなダメージを与える事も可能で、当時の攻略パーティは如何にそのトラップアイテムを有効活用するかを必死になって考え出していたものだった。何せ、少しでも衝撃を与えてしまうと大爆発である、持って投げようにも通常なら拾って振りかぶるその挙動だけでアウトなのだ。
しかーし! これをトミィが使うとなると話は別なのだ。元々意味不フットワークの原因にもなっていたSTR極振りのビルドのお陰か、指先でスッと静かに押すだけでその爆弾石は誘爆する事なく弾丸のようなスピードで前方に撃ち出されるのだから。
果たしてトミィさん、数日にして高速フットワークからトラップダメージ級の凄まじい超火力を出す遊撃手に早変わりである。
「○△#?%◎&%×$!!」
さて、次はオルス氏。
元々強靭なメイス使いだった彼をこれ以上強化するというのも必要かと言われればそんなことは無いようにも思えるのだが。
だがそんな彼だから勿論、グラント帝国の先陣を切ってボスに肉薄してメイスを叩き込んでいるかというと、そんな事はなかった。
「あーこらこら。オルス、ちゃんと狙ってるかい?
あーいう如何にも外見セクハラ系裸同然の敵には、こっちもやり返しちゃえばいいんだって。
男子の急所に、レッツァゴー!!」
いくら相手がドワーフ……もとい、デジタルデータとは言え酷いところを狙うものである。というかグラント自重しろよ。
「■$☆♭#☆♭*……?」
ギルドメンバー全員での体術スキルの習得。そのもう一つの理由が、そこにはあった。
先程投擲用アイテムは威力の低いものばかりであると述べたが、トミィの様な例外を除いてもたった一つだけ、相手に対して高火力を出せるものがある。
それはズバリ、自分の持っている武器そのものである。
意外と知られていない事だが、投擲スキルというのは投擲用アイテムだけを投げるために存在するものではない。その気になれば自分の武器や、装備やポーションなどの消費アイテムなどを投げる事も可能なのである。
だがそれを誰も行わない理由があるとすれば、それは間違いなく、投擲スキルで投げたアイテムはその耐久値を大きく損なってしまうという致命的な欠点にあるだろう。鎧や盾のような耐久値に特化した装備やアイテムでもなければ、一度投擲した時点でもうその戦闘では使い物にならない程に損傷してしまうのである。
……ある、例外的な状況を除いて。
「あいつら……もしかしてネズハの使ってた、アレか……!?」
「えっと…? キリト、何か分かったの?」
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