第九話 モテたい年頃のキリト君(キリット part1
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ただでさえSAOサービス開始日から今まで監獄で過ごしたもやしっ娘である。マソップ(ひらがなにしない、これ重要)は体術スキル習得の日にフィールドに出てからの二日間一切ギルドルームから外に出る事なく、まるで虐げられている子供のように部屋の一角で丸くなって自身のウィンドウを弄っていた。
別にいじめてもいないのに妙に罪悪感を覚えてしまう。良い迷惑である。チキンなグラントも結局は無理に連れてくることは出来ず。
「まあ……あれっす、サッちゃんに嬢を会わせるのはちょっと刺激が強すぎるだろうし、結果オーライで」
「ちょ、グラントさん」
「さりげなくサッちゃん呼ばわりするなこの落武者男」
今日もハルくんキレッキレである。格好良くサチを庇おうとしたキリトくん、君は残念だがお役御免だ。
ともあれキリトとサチ、そしてグラント帝国の皆さんと、二つのグループが巡り合ってしまったのだから仕方がない。グラント達はともかく、こんな辺鄙なエリアに何故キリトさん達がいるのかと言えば、どうやら近頃中層ゾーンで活動しているらしい彼らの所属するギルド、「月夜の黒猫団」の実力向上に伴いサチのレベリングをしなければという事で、キリトは度々それを手伝っているのだという。
「しっかし、さっすがキーリトくんだなぁ。ここはあんまり攻略組の方々にも認知されてないみたいだったのに、把握済みとは」
実はここ、踏破推奨レベルが十八層攻略時のプレイヤーの平均レベルを大きく上回っていて、当時は初見殺しの危険地帯という事で誰も寄り付かず……今は駄目でもいずれは、と後回しにされているうちに、いつの間にか忘れ去られてしまったドンマイなダンジョンだったりする。
「ま、まあな。俺は攻略組じゃないけど、こういう穴場はアインクラッド中にちらほらあるみたいだからな、探すのも一つの楽しみだよ。俺は攻略組じゃないけど」
「ん?何言ってるんだ? キリトはバリバリのこ……」
「ハルくんストーップ!」
バリバリの攻略組だろ? キリトの返答に疑問を感じたハルキが思わずそう問おうとしたその時、グラントがその言葉を無理やり遮った。当然怪訝に盾男を見やるハルキだったが、
「分かってないなぁ、あーいうのは素直に乗ってあげれば良いんだよ」
「素直にって……」
「良いかいハルくん、君は何というかあんまりそーゆーことに縁がなかったと思うから説明するけど、アレくらいの歳の男の子は、やたら自分をカッコ良く見せることに拘る傾向があるのだよ。俗にこれをチューニ病と呼ぶんだけど」
『(?ω?)』
「チュー……ニ病? なんかの病気なのか?」
「んま、一種の生活習慣病みたいなヤツだね。
つまりだ
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