第九話 モテたい年頃のキリト君(キリット part1
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あろうと少なからず存在するので、武器を持たずにそこらをほっつき歩くなんて事は控えめに言って正気の沙汰ではない。
だがそれが幸いして……どうやら、ヒゲジィも実体化していない武器までは取り上げようとはしなかったようだった。グラントはそれを見越して、小屋に入る前に全員に武器のストレージへの格納を呼びかけていたのだ。
と、こう書いて見ればグラント、すごく頭のいい感じなのだが。
「%$&?※◎■○%□!!!」
子供が聞いたら泣き出しそうな野太い怒号と共にオルスが自分に割り当てられた岩にメイスを振り下ろしていて。「ちょっ、まてよ」と悲痛な声を上げた(ような気がした)岩は成すすべもなくポリゴンの欠片と化した。これで無事、オルスは体術スキルの習得は確定である。
だがちょーっと考えて欲しい。この五人の中で、まともに武器を持って戦うのって、誰だったっけ? 片手直剣を両手で使うハルキはもうクリア済みで、攻撃的メイス使いのオルスはたった今条件を達成して。
……で、他は?
「さて、ここからが本番ぜよ。次はトミィ氏!」
そう、あとはお察しの通り、盾しか持ってないグラントと、走るだけしか能のないトミィと、そもそも戦う気があんのかコイツなマソップである。お前ら武器を取り上げられる以前の問題じゃね? と、そう考えるのが妥当である。
しかしそんな中、グラントはトミィに一つの指示を出した。その主旨は単純にして極端。
「ぶ、つ、か、れ!!」
『(?ε ?ノ)ノ エッ?』
……一応説明する。
圏外なので、ヒットポイント及び耐久値の設定されているオブジェクトは例外なく、意図ある攻撃だけでなく、物体同士の衝突によってもダメージを受ける。そしてその衝突によるダメージは、基本的にはぶつかるその物体の速度と重量によって変動するのである。
つまり、今トミィがグラントによって担がれ運ばれて無理矢理実践させられているように、全身フルアーマーなプレイヤーが、疾走スキル全開で遠くから岩に特攻すれば……ほーら、簡単に岩がぶっ壊れましたとさ。
『(´?o?`;)アー』
その代わりにトミィ氏、明後日の方向に思いっきり吹っ飛んでいったけど、まあ問題ない。うん、問題ない。
「さて、次は俺だなー。ハルくん、剣貸して」
「え? ……って、これって素手で岩を割らなきゃならないクエストなんじゃなかったのか?」
ハルキくん、まだズルをしているって事を把握出来ていない。その純粋さはある意味貴重だ、大事にしよう。
と言うわけで、全てを語らずにニコニコ笑みを浮かべながら戸惑うハルキから彼女の愛剣「スタウト・ブランド」を受け取ると、落武者男は躊躇なくその剣を振りかぶる
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