第九話 モテたい年頃のキリト君(キリット part1
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出である。
「この岩を割るまで、山を下りることは許さん。汝には、その証を立ててもらうぞ」
だからこそ、グラント達はその内容「破壊不能オブジェクト一歩手前の強度を誇る岩を素手で割る」を説明されても、そして途中で逃げ出さないようにとヒゲジィに、それぞれのお顔に筆で落書きをされても、さほど驚かなかった。
いや、それどころか。
「んー、まあ確かに、事前に知らなきゃ避けられる速さじゃないよな」
「え……なにハルくん避けたのあれ!?」
「おお! この早業を避けるとは……試すまでもない、汝には我が技の全てを授けよう」
「え、いいの? ……ま、どうせ俺はソードスキル使わないんだけど」
ハルくん、まさかの落書き回避からの最速習得ルートである。アルゴやキリトが聞いたら泡食って倒れるぞこれ。しかもせっかく手に入れたそのエクストラスキルも彼女、どうせ使わずにお蔵入りである。
「もったいねー。まじもったいねー」
そしてその事実に熱でうなされているかのようにぼやくグラントの顔にもペイントが付着していて。
「パイセン、ペイントがまじグルトラマンでワロタ」
「それを言ったらお前さんはサイヤークだ。マソップだけにな」
皆それぞれ個性的なペイントである……フルフェイスメットを被っているトミィだけは外見に全く変化がないが。一応システム的な都合もあるし彼の素顔はやはり落書き状態なのだろうけど。因みにオルスはヘイジョージな感じである。
だけど、いち抜けたハルキ以外のメンツも、顔ぐっちゃぐちゃなのにやはりそれほど動転はしていない。事前に知っていたからというのもあるが、それでもそのペイントの解除条件が素手で岩を叩き割る事のみとあらば、少しは絶望してもいいのではないだろうか……?
「よーし、みんなじゃあ始めよっかー。じゃあまずオルス君。アイテムストレージから、メイス出して?」
……絶望しない理由がよく分かった。どうやらギルドリーダーこと落武者男グラントは、またまたシステムの抜け道を使った対策を考案済みのようである。
どういう事かと言うと、普通このクエストを受ける際、プレイヤーの武器による岩の破壊を防ぐために、このヒゲジィNPCは入門者の顔に落書きをすると同時に彼らの武器を一瞬にしてかっさらう手筈になっている。グラント達は知る由もないが、現に二層攻略の時点でこのクエストを受注していたキリトはそれによって片手直剣の使用が出来ずに、三日間泣き叫びながらがむしゃらに素手で岩を殴り続けたそうなのだが。
よく見るとグラント達、誰一人としてメインウェポンを実体化させていない。モンスターに襲われる確率は圏外である以上どこで
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