第八話 プリズンブレイク in 黒鉄宮
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!!!」
「ちょ、何してんのマソップ嬢!?」
……もうついていけない。というかグラントがまともに見えるレベルじゃん。
そしてもちろんその男女のノリには……果たしてやって来た、お目当ての看守さんもさっぱりだったようだ。
ちょっと看守視点で現在マソップ嬢の独房がどうなっているかを語ってみよう。
まずは、どうやら二人で持ち上げたらしい、横倒しになったベッド。ちょうどそれは看守が入ってくるその外界との通行口にすっぽりはまりそうなサイズで、これを後ろの二人が押し出すことで看守は防ぐ暇もなく後方に吹っ飛ばされること必至である。
それだけなら、良かった。まだよかった。
「ぐぶぐぶぐぶ、ジミ変ジミ変!!!」
何がバヤいって、そのベッド……燃えているのである。
よく考えたらそのベッド、木製なのである。発火にはどの独房にも必ずあるかがり火を使ったのだろう。「ジミ変」って、そういうことかよ。
わかんない人はさっきの英文をググってみよう。
「粉砕ーー!玉砕−−−−!!」
さて、彼らの脱獄劇もフィナーレである。合図は俺が、と盛大に声を張り上げたグラントの号令に合わせてベッドは前方に打ち出され。
「「大喝采ーーーーー!!!!!」」
もはや炎の塊となったそれは、看守に声を上げる間も与えずにぶっ飛ばした……。
「ハルるん、それ多分、ハラスメントコードで監獄に送っちゃったんだと思う」
「……はい?」
さて、ここは皆の心を暖める我が家こと、「グラント帝国」のギルドルーム。
突如として消えたグラントについて、焦りに焦ったハルキが藁にもすがる思いで連絡したのは、現在攻略組の中でもトップランクの腕前を誇る細剣プレイヤーにして、ハルキの秘密を唯一看破した(……と、少なくとも彼女は思っている)女性プレイヤー、アスナだった。
まあ、SAOの基本ルールに関してまだ知識の浅いハルキとしては、突然消えただけでなくメッセージの返信もない、マップでモニタリングしてもどこにも映らないとなれば流石に死んでしまったのではないかと必死だったのだろう。今現在も、オルスとトミィが圏外を走り回ってグラントを捜索中である。
そんな彼女に向かってアスナが引き攣った顔で言った言葉が、初めのである。何と言うか、妙に実感のこもった口調である。キリトさん何してんのアンタ。
「あのね、男性プレイヤーが女性プレイヤーに変な事すると、女性プレイヤーの視界にハラスメントコードのウィンドウ……つまり、『このプレイヤーを監獄送りにしますか?』っていう表示が出る筈なんだけど……」
「……あ」
うん、ハルキには思いっきり身に覚え
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