第八話 プリズンブレイク in 黒鉄宮
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もんよ」
壁から聞こえるその笑い声はずいぶんとまた特徴的である。「ぐぶぐぶぐぶ」ってなんだよって? 強いて言うなら、あれだ、某魔法少女の「ウェヒヒヒ」みたいな。
「しっかし、君みたいな女性プレイヤーがこんなところに閉じ込められることがあるなんてねえ……」
そして一個追加。その相手、どうやら声色から察するに女性である。うんまあ確かに女性にしてはいささか……いや、決してジェンダーハラスメントのつもりはないけど、ね? 一人称「ワイ」とか、ぐぶぐぶぐぶとか、ね?
だがそれに対するお隣さんの返答は、思ったよりはまともなものだった。
「ここにいれば、まあ安全でしょ常考。圏外は論外だし、圏内も最近じゃ犯罪者プレイヤーがいろいろやってるっていうし」
「まあ、確かに……ある意味では究極のマイルームだよねぇここ.
……って、ちょっと待った」
グラントも気付いたようである。彼女のその発言が実は全然まともじゃない事に。
「え、なに君、自分からここに入ったの?」
「はじまりの街で一番のイケメンNPCの鎖骨をprprした結果ですが何か」
グラントは両手で顔を覆った。普通の人間なら、その壁一つ向こうの女性プレイヤーの変態性に気付いて、あまり関わらない方がよさそうだと注意するようになるだろう。現に彼女のその奇行を考えても、これまでのグラントの所業を凌ぐものがある。
だがグラントである。しかしグラントである。そう、グラントである。
「……よし君、俺のギルドに入ろうか」
「……ぱーどん?」
やっちゃったZE☆。ソードスキルを使わない剣士に、鎧ずくめの意味不明フットワーク男に、なんか強い外人と来て、終いには鎖骨prpr女である。グラントの描くギルド像が全く、読めない。というかそんなものはないんだろうね。
「つーかギルドリーダーがここにいる時点で、犯罪ギルドだってはっきりわかんだね」
「いや違うんだってマジで。俺だってどーしてここに飛ばされたかわからんのよ」
そうそう、よく考えたらどうしてグラントがここにいるのかという疑問が残っていたね。なんでだと思う?
「あ……ありのまま、ついさっき起こった事を話すぜ。
『俺はギルドルームでギルメン達と戯れてたら、いつのまにかここに来ていた』。
な……何を言っているのかわからねーと思うが、俺も何をされたのかわからなかった……」
つまりそういうことなのである。本人の言葉通り、グラント自身も釈然としていないんだからしょうがない。
とりあえず、起こったことをさらにありのままに話すとしよう。
(えーと? たしかあの時、ギル
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