第七話 「燕返」対「虎切」
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を腰に帯びていたのだ。
「……クライン、その武器、まさか、あの!?」
「んあ? ああ、これか? へへ、すげーだろ、刀だぜ刀!
カタナスキルって言ってな、曲刀スキルを極めたオトコのみが習得できるエクストラスキルなんだぜ! オレみたいな、な!!」
正直調子の良さだけならグラントといい勝負であるクラインのその得意げな台詞を聞きながら、ハルキはその習得条件を反芻していた。まあ十中八九、「オトコ」と言うのは彼の誇張表現だろう、問題はその前である。
「……曲刀スキルって、俺武器スキル何にも持ってないんだぞ……」
残念ハルくんの図である。今から鍛えるにしても遅すぎるもんなぁ。ねぇ今どんな気持ち?
「あ……わりぃわりぃ、そういやハル公はソードスキル、使わない主義だったんだもんな。でもちょっとは見てみたくないか? カタナソードスキル」
「……むむ」
調子者のクラインだが、基本的には人の良い兄貴分である。それ故彼にも決して悪気はなかったのだろうが……気遣う目的で使われたその言葉は、しかしハルキには挑発と受け取られてしまったようで。
「……じゃあ、デュエルで」
「は?」
次の瞬間、ハルキのメラメラと燃えた瞳を見て、クラインはまたもや面食らう事になったのである。勿論これにはグラント達もお口あーんぐりである……一人を除いて。
「ハタシ↑アイ↓!? ニッポン、&@%※#□×▲!!!」
流石にどうにかしないとまずいぞこれ。もはや火星語じゃね?
「おかしいぞ……俺がツッコミ役なんて、なんかちがう……」
ぼやくグラントの周りには、そこそこの人数の人だかりが出来ている。
それもそのはず、ゲームでの死が実際の死に直結しているこの世界において、犯罪者プレイヤーでもない一般人同士のデュエルは極めて珍しいのだ。しかもその決闘者の一人が、中堅ギルド筆頭の風林火山のリーダーであるならば尚更である。
「良いかハル公! ルールは初撃決着モードだ!
一回でも相手の攻撃に当たったらその場で終了だからな!!」
「りょーかい。でも心配はご無用だぜ。
本当の武芸の達人は、武器を選ばないって事を証明してやるよ」
勿論、その人混みの真ん中では、ハルキとクラインの二人が向かい合っている。ハルくんだいぶ根に持ってます、キリトにひがむグラントの事からかってたけど、人のこと言えねーじゃん。
「はは、そうかい。 ……ならオレは、本当の武士道がどういうものかを教えてやるぜ!!」
デュエル開始までのカウントダウンの迫る中、二人は軽口を交わす。
とはいえこのハルキとクライン、剣を交え
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