第七話 「燕返」対「虎切」
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『(T ^ T)』
とはトミィ氏の発言(?)。彼は疾走スキルを巡る事情から結局ろくに主街区に入れたことがないので話についていけない、という事をその絵文字で表したのだが……んなのわかるわけないだろ。
だが彼らの思惑に反して例の外人プレイヤー、名を「Orth」ことオルスといったソイツは、グラント達の会話を聞くや否や途端に目を輝かせ出していた。
「%@?%□◎&△#!!!」
「ん、んんん??」
話が伝わったのか? と首を傾げるハルキに、
「ふむ、どうやら街の名前とかレストランとかそれくらいは分かるようじゃの。そりゃそうか、どんな言語でもゲーム内の名称設定は統一されてる筈だよのぅ」
ある程度の推測と共に納得するグラント。確かに、言語が違うからといって街の名前等の名称が変わってしまっては、プレイヤー間の情報伝達がまるで出来なくなってしまうというものだ。
「……そうだよ、絶対何かしらの方法があるに決まってるんだ」
このSAOがデスゲームと化す前、一体どのようなゲームジャンルに属していたか。その答えは「VRMMORPG」という、今までにない「世界初」のものではなかったか。
当然、その注目度は国内に留まらず世界規模の高さであったはずである。そしてその時点で、運営側としてはこのタイトルによる海外進出だって考えていた筈であり、そこまでのポテンシャルを秘めたこのSAOが……しかし実は外国語非対応でした、なんて事があり得るだろうか。
「でも、ウィンドウの設定画面にも言語設定っぽいものはないぞ?」
『(・へ・)ンー』
ハルキとトミィはそれぞれ自分のウィンドウを開いて何かしら解決の糸口を探してみるが、残念ながら収穫は望めなさそうである。
「あれはどうだ? 通訳スキルみたいなのはないのか?」
「ふーむ、少なくともベータ時代には聞いたことがなかったと思うよ」
このご時世においては珍しく、SAOはいわゆるチュートリアルがまるでないゲームである。その辺りの注意事項はプレイヤーが自力で見つけ出さねばならない仕様になっているのだ。少なくとも、ハルキやグラントがこの仮想世界に始めて降り立つ時……つまりキャラメイクの時点では、UIや他様々な名称の多言語化設定はなかったはずである。
そんな状態でデスゲームとか、茅場鬼かよ。いや鬼なんだけれども。色々とフェアだって噂はどこいったんだい。
そうして、ハルキとグラント、そしてきっとトミィもこのデスゲームの諸悪の根源に対して、心の中で愚痴をこぼした、その時。
「…………!!??」
渦中の男、オルスが突然、予期せぬ方向に走り出したのだ。直前の驚いた表情から
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