第七話 「燕返」対「虎切」
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くらいその中に外国人がいてもおかしくはない筈なのだ。そして検索エンジンの恩恵に与れない今となってしまっては、その母国語も特定困難であり。
「はろぉ? はうあーゆーどぅーいん? あいねーむいず……」
「やめてグラント、俺今すっごく悲しい気持ちになってる」
『(´?ω?`)』
せっかく辛うじてなけなしのイングリッシュをスピーキングしたというのにグラント、身内から総スカンである。「まいねーむいず」だろとか言わないであげて。
「……これでひとまず聖堂は守られる……」
「とにかく、情報が必要だな。こう何一つ言ってることが分からないんじゃどうしようもないからな」
『(´Д`)』
「情報、ねぇ。取り敢えずアルゴをしょっ引くのは手だと思うけどねぇ……お財布がどんどん軽くなってて、もうあんまり気軽に買えないんだよねぇ」
「○%$☆♭■□:*&??」
緊急事態である。確かにそうなのだが……君たち、助けてあげたダークエルフの女騎士さんの事忘れないであげて。四人が四人とも聞いてくれてないから、ほっとした表情で振り返ったままエルフさん……名を「キズメル」さん、固まってます。
「礼を言わねばなるまいな。そなたらのお陰で第一の秘鍵は守られた。助力に感謝する。我らが司令からも褒賞があろう。
野営地まで私に同行するがいい」
「あ、いや結構です」
せっかくキズメルの頭上にクエストの進展を知らせるクエスチョンマークが発生したというのにグラント、完全無視である。だがさすがに今回は、事態が事態だったか。
「そ、そうか。ならいつでも我らの野営地を訪れるがいい。その時は手厚く迎えるよう、私が司令に進言しておこう」
そう言ったキズメルの口調が若干残念そうだったのはきっと気のせいだろう。ハルキは耳に引っかかったその言葉を聞いて思った。
さて、場面は変わってズムフトの街。心休まる筈の拠点に帰ってきたグラント達一行だったが、残念ながらその心中はちっとも穏やかではない。
「とりあえず、色々と接待をして敵意がない事を示そっか」
とはグラントの発言。いつになくまともな意見であるが、この予想斜め上の事態においては誰もそれを揶揄する程の余裕は持ち合わせていなかった。
「とはいえ、ここってそんなに美味いレストランあったか? ズムフトは景観は独特で綺麗だけど、食事に関しては二層のウルバスの方が……」
とはハルキの発言。身も心も男になり切っている彼女だが、どうやらウルバスのレストランで食べた高額ショートケーキ、「トレンブル・ショートケーキ」の味が忘れられない辺り、一応はスイーツ好きな女の子の様である
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