第七話 「燕返」対「虎切」
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ろでクエストは進行しそうにもないなぁ。
とゆーわけで。トミィ氏、ハルくん、行こっか』
『∠(・_・)ラジャ』
『え? ……ああ、うん』
もう少し見ていたかったとかハルくん、決して考えてない。きっと。
ちなみに前回二人が結局どうしたかというと、どちらかに味方すれば問題なくクエストが進行するというのにハルくんが中立派のまま一歩も譲らなかったので、結局そのまま撤退せざるをえず……エルフクエストは全く進んでいないまま現在に至る。
だが今のハルキはグラントの涙ぐましい努力により、ゲームの摂理というものを一応理解している。キリトとアスナによってもたらされた「ダークエルフ生存ルート」という、ベータ時代には恐らく存在しなかったシナリオ分岐の情報もあり、もし自分達の介入が必要そうなら森エルフ、金髪の男性NPCを倒そうと事前にグラントと打ち合わせていたのだ。
抵抗がないわけではないのだが、この際仕方がない。彼女は一息つくと、剣を鞘から抜き放って……。
そして、冒頭に至る。
申し訳ない。まるでどういうことか分からないと思うのだが、本当にそうなのだから仕方がない。
「……どーするよ、これ」
まずはグラントが一言。
もう一度言う。グラントが一言。普段ハルキに言わせているようなセリフを、グラントが一言。大事な事なので三回言った。
もちろん横にはハルキとトミィが並んでいる。そこは先ほどと変わらずNPC同士が戦闘をしていた空き地であったし、グラント達は見事その場に参戦して、森エルフのお兄さんをコテンパンにやっつける事には成功した。そして、目の前には例の強靭なメイス使いが立っている。
だがエルフクエストの始まる前に軽く、とグラントが挨拶を口にした、その直後。
その男は振り向き、おもむろに口を開けると。
「$☆♭○%×※#▲!」
「……俺に聞かないでくれよ、グラント」
今度のは本当にハルキの声である。ちなみにトミィ氏は驚いているのか、先程から微動だにしない。
ちなみに、情報源たるアルゴが後に言ったところによると、
『にゃハハハハハ! グー坊言ったじゃないカ、癖のあるプレイヤーを探してくれっテ!
ソイツの話してる言語は、オイラのツテを探ってもいまいち判別がつかなかったんだよなー。お陰で苦労してるみたいだゾ、パーティにもレイドにも、あれじゃーとても入れないもんナー』
……だそう。いやそういうことは早く言ってよ。
もうお分かりだとは思うが、何が問題ってこの男性プレイヤー、言葉が通じないのである。盲点だった、一万人ものプレイヤーがサービス開始直後にこのアインクラッドに閉じ込められたのだから、一人
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