第六話 ギルクエ? なにそれ? おいしいの?
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まさか、とハルキがそれを指でタップしメッセージを開くと……。
『∠(・_・)ラジャ』
ちなみに、後にグラントの見るところによると、『あー、いるよねこういう人。コメントは絵文字だけみたいなプレイヤー』との事だった。MMORPGなんぞただの一度もしたことの無いハルキにはさっぱりだったが。
どうしてこう、ハルキは思った。俺の周りにはこう、訳のわかんない奴ばっかり集まるのかな。
ちなみに当の本人たるトミィはその超鈍足でハルキの前まで歩み寄ると、フルフェイスが無ければ上目遣いのようになっていたであろう仕草で彼女を見つめていた。
「……分かったよ、それでいこうそれでいいよもう」
何だかいたたまれなくなってしまったハルキが思わずそうぼやいたその時、再び手紙アイコンが光り。またトミィかと条件反射的に開いた彼女は、しかしその送り主が彼ではなく例の盾男の方であるのを確認した。
『待たせたな。今すぐ作せん開始prz』
「……ん?」
「作せん」に関してはまだしも、文章として成立していない最後の下りは何だったのか、とネトゲ初心者ハルくんの頭に沢山の疑問符が浮かぶ。何か焦ってて、うまくメッセージが打てなかったのかな。
だがウィンドウを開きっぱなしだったその視界に、またまた更に新着通知の知らせが来て。
『開始prz→開始プリーズ(*?????*)?』
「……ああそうかい、良く分かったよ……」
意思疎通が出来ないよりはマシかと思っていたが、これはこれでどうやら面倒なことになりそうだなぁ……と頭の片隅で思いながらも、ハルキは仕方なくトミィにその場から動かないように伝えて、目の前のタランの村に向かっていった。
「立ち去れ! 咎人をこの村に入れる訳にはいかぬ!」
そして、どうやら村の入り口に常駐している衛兵NPCの可視領域に入ったらしく、直後に突然そう怒鳴りつけられる。ついさっきまで居眠りしてたじゃないかと、「デフォルト表示」というグラフィックの概念を知らないハルキは苦笑いして……一気に間合いを詰め、衛兵に向かって剣を振りかざして。
この瞬間に彼女ら三人、「グラント帝国(略称)」の、初ギルドクエストが始まった。
「う、うぉあっ!?」
ハルキとしては相手の構え方を観察して、最も守りの薄い左下段を正確に斬りかかったつもりだったのだが、狙われた衛兵の方はどう考えても有機的なスピードではない動きで、手にした槍を使い彼女の剣を阻んでいた。
「おい、今手首が一回転しなかったか……?」
恐らくこれが、先ほどのギルクエ発
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