第六話 ギルクエ? なにそれ? おいしいの?
[1/10]
[8]前話 前書き [1]次 最後 [2]次話
「さーて、それでは第一回ギルドクエストを開始しまーす!!」
まーたロングヘアー男が何か始めやがったよと思っているそこの人、まさにその通りである。数分前にデュエルもどきの様な事をしたばっかりだというのに元気なものである。
「……なあグラント、確か俺達、カルマ回復クエストとかいうのを受けに行くんじゃなかったのか?」
もはやそんなグラント節にも慣れてしまっていたハルキが浮かんできた疑問を率直に述べると、横に並んでいる鎧男、トミィもそのヘルメットをがくがくと縦に振る。
因みにグラント達はこのトミィ氏をここ、第二層安全圏「タランの村」入口まで連れてくるのに大分苦労を重ねている。普通に歩くこともままならず、疾走スキルを発動させた途端に明後日の方向に走り出していってしまい。
……そのくせして、装備は決して解除したがらないので重量ペナルティをフルに受けてしまっているこのプレイヤーを、結局グラントとハルキの二人で担ぎ上げてここまで運んできたのである。トミィ氏、凄まじい筋力要求値である。
「いや、そうだったんだけどさ。一つだけ、確かめたいことがあってね? ギルメンたる皆にはギルドリーダー権限で付き合ってもらおうと」
「じゃあなグラント、もうギルメンじゃないけど一応たまに生きてるかどうか確認してやるよ」
「いやんまってぇハルくん」
いつもながら調子がいい事この上ない。だが何だかんだでそんなグラントのおどけに乗ってあげているハルキも、実はその「確かめたいこと」の内容が少し気になっていたりするのだからおあいこである。
「それで、ですよ。その内容についてなんだけど。記念すべき第一回ギルクエはですね?」
さあ、そしてついに、その実態が明らかにされようとしていた。よく考えたらギルクエことギルドクエストとは、ギルドメンバー全員で受注しこなすクエストないしはそれを行う事でギルドのレベルを上げるためのものであり、間違ってもギルドリーダーが勝手にギルメンに課す任務ではない筈なのだが、そんな事は気にしたら負けだ……。
「あの、衛兵NPCを潜り抜けて、オレンジのまま圏内に入ってみよー!!」
ああ、負けたって構わん。ハルキは思った。
(……他の全SAOプレイヤーの為にも、コイツはここで始末するべきかもしれないな。俺はともかく、新入りのトミィが驚いて仰け反ってるぞ)
取り敢えず説明をしておく。何かしらのクリミナルコードに抵触したプレイヤーのカーソルがオレンジ色に染まる事は前回説明したが、それによる具体的な制約の中に、「圏内への立ち入り禁止」というヘビーなものが
[8]前話 前書き [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ