第五話 天上天下唯我独(以下略)
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「……で、何これ?」
「なっ!? ハルくん、読んだことないのこれ!?」
その本の帯に書いてある文句を見て、ますます不信感を強めてしまったとさ。
『大丈夫、アルゴの攻略本だよ。』
『ハーちゃんひどいナー。オレっちはハーちゃんの事、第一層の頃から目をつけていたんだゼ?』
『……え、こわ』
そんなこんなでハルキとグラントは、「鼠」こと情報屋のアルゴの報告を聞いたのち、彼女に手渡されたリストの一番上に書かれていたプレイヤーを探すべくここ、草原と岩石のサバンナの様なフィールドの広がる第二層へやって来ていた。
「ねぇ、一応聞いておくけどさ。会ってみたら面白そうなプレイヤーって、具体的にどんな人達をリストアップしてもらったんだよ?」
「ふふーん、良い質問だねぇ、ハルくん」
今日はやたらグラントさん、鼻を鳴らす様である。鼻に何か詰まってんのか。
「アルゴにはね、一癖も二癖もあるせいで実質ソロ、あるいはギルドやパーティで問題児扱いされてる様なプレイヤーを調べてもらったわけだぜ! やっぱ普通の人呼んだってつまらないだロ?」
あー。ハルキは悟った。やっちまったぞこいつ。最後アルゴの真似したって誤魔化されんぞ。自分で言ったでしょうに、『ギルドやパーティで問題児扱い』って……それそのままこのギルドでも当てはまるんじゃないのかな?
『取り敢えず今日ハ、どうやら第二層の荒地エリアにいるらしいリストの一番上のソイツを当たる事をお勧めするかナ。
何でも突然プレイヤーを襲うくせニ何かを要求してくるわけでもない変なヤツらしいけド、そんな感じだから出現場所が大体決まってて、直ぐに遭遇出来るんじゃないカ?』
いや、まあ数分前のこのアルゴの情報を耳にした時から、何となーくハルキは嫌な予感がしていたのである。大体圏外でプレイヤーを襲うって、それ最早犯罪者プレイヤーじゃないのか。でもあのアルゴ……あれでどうやら初心者プレイヤー達の強化に尽力してくれているらしいそのアルゴが、ギルメンとしてそんな危ない人を推薦なんてするものだろうか。
「あー、俺もう知らねー。ギルドが傾きだしたら俺逃げるからなー。あとはグラント一人でやってくれよー。俺はあんたみたいな変人プレイヤーじゃないからなー」
「いや、ソードスキル使わないだけでも十分変人だから大丈夫だよハルくん」
そう、ハルキも控えめに言って恐ろしく異端なプレイヤーなのだ。これ重要。そして今回はそんな彼……いや、彼女のヤヴァさが十二分に発揮される場面があるのだが……それは、ヤツがやって来てから話すとしよう。
と言うわけで、そろそろヤツ、そのお目当てのプ
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