第五話 天上天下唯我独(以下略)
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を戻そう。そんなこんなで二人は今、ズムフトの街のNPCに話しかけることで行けるインスタントマップ……え? そもそもそこってどこだよって?
「いやだって、折角立ち上げたギルドのメンバーが二人って、あれじゃん、募集してみたけど全然集まらなかった残念なヤツだって思われるじゃん」
一体全体何なのかというと。第三層フロアボス戦、加え攻略組リーダーとの戦いから無事に生還したグラント(ハルキもそうだけど今は敢えて除外)は、もはやトッププレイヤーなんぞ眼中になしという事で攻略組と袂を分かち。
そして自らのギルドを作るべくここズムフトの街で受ける事の出来る「ギルド結成クエスト」をこなし……そしてその成功によって獲得したここ、「ギルドルーム」をこの数日の拠点にしている、といういきさつである。
「まあ、だってその通りだしな。っていうかあのギルド名は無かったよなー」
「全く理解できん。あの名前がダサいなんてセンスの欠片もない。そう思うヤツなんぞここに入る資格はない」
「んじゃ、俺も出ていかないとな。短い付き合いだったよ、グラント」
「待ってハルくん置いてかないでおねがいだよぅ」
「天上天下唯我独尊アルティメットグラント帝国」。
因みに、正式には「Empire of Tenjo Tenka Yuigadokuson Ultimate Grant」だそう。いやもう文法とか。それ以前に言葉のチョイスとか。
文字数制限とかよく引っかからなかったね。因みに「天下」のところ、「てんげ」って読むんだよグラント君。「てんか」じゃないんだよ? というかこんなみっともないギルドに入ってあげてるハルくんって、もしかして天使なんじゃね?
何はともあれ、今のところギルド名の変更手段がない以上、この名前でやっていくしかないのであり。そしてこんな名前のギルドなんぞに誰も進んで入ってくれるはずがないわけであり。仕方ないので晴れてギルドリーダーに就任したグラントは、今日からは自分から出向いてギルメンを募集する作戦に打って出ようとしているのであった。
「だいたい、打って出るといったってさ。ギルメンになってくれそうな人の当てでもあるわけ?」
「ふふん、よくぞ聞いてくれたな、ハルくん」
数秒前と打って変わり、グラントはギルドリーダー用らしい大きな木椅子に偉そうにどっかり座ると、自分のアイテムストレージの中からあるものを取り出した。
「一応ね、会ってみたら面白そうなプレイヤーをリストアップしてって頼んでおいたのだよ、うむ。
今から三十分後に、調査結果を聞きに行く予定だよ……これ書いてる人にね」
そしてグラントに手渡されたそれを見て、しかしそれが何か全く知らなかったハルキは、
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