第四話 なんでや! VS なんかちがう!!
[9/11]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
こんどは痛いところを突かれたリンドが、若干眉を寄せた。そんな青い髪のDKBリーダーに、グラントは続ける。
「いいさ。自分の居場所ぐらいジブンできめるさかいな!」
「『ジブン』は相手の事を指す言葉や! おちょくらんといてや!」
うおっ!? と、唐突なキバオウの復活にグラントが飛びのく。そんなやり取りを見ていて、何だか馬鹿らしくなってしまって。
(……そうか。
こいつは別に、どうしても攻略組になりたくてここにやって来たって訳じゃないんだ)
ハルキは悟る。元々力量試しで行こうって話だったし、もしかするとこのグラントって男には、このアインクラッドの上を目指す事よりももっと大事なことが……百層を目指すソードアート・オンライン本来の使命とは違った、彼だけの、何かしらの目的があるのではないだろうか。
……結論として、その推測は正しかったと言える。
そりゃそうだ。だってこれは、ソードアート・オンラインではない。
これは、シールドアート・オンラインという物語なのだ。
「そうだな、自分の居場所くらい。悪いけど、俺も攻略組にならなくていいや」
……なら、その可能性に賭けてみるのも、悪くはないかな。
そう、ハルキは思ったのだった。自分たちは彼らとは別の道でこのアインクラッドを生きる……そう心に刻んで。
「よっ。残念だったな、二人とも。攻略組になれなくて」
散々攻略組を振り回した挙句に仲間にならなかった二人は、そんなトッププレイヤー達から暗黙の総スカンを食らっていたのだが、そんな中気にせずにこちらにやって来たプレイヤーがいた。キリトとアスナである。
「けっ、お前は良いよなキリトめ。ベータでもここでも最強プレイヤーでさ」
あからさまにひがんでいるグラントに非難の目を向けるアスナとハルキ。
「大人気ねー。グラント大人気ねー」
「そういう所が攻略組になれなかった原因ね」
……いや、アーちゃん言いすぎじゃね? 女の子怖っ。グラント君、目が若干うるってるし。
だがそんな中、思う所があったキリトはただ一人、グラントに探る様な目を向けていた。
先ほどのデュエルでは多くの人間が最後のアイテムオブジェクト化「めら☆ぞーま」に気を取られていたが、それよりも彼が驚いていたのはそこまでの、キバオウの剣を捌く防御技術である。
基本的に盾という装備は相手の攻撃を一律に無効化できる代物ではない。それにはいわゆる耐久値が設定されており、攻撃を受ける部分とその攻撃の強さによってはダメージが一部貫通してしまう事も少なくはないのだ。
だがグラントは……デュエル中に
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ