第四話 なんでや! VS なんかちがう!!
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は化け物だよね。
数秒後には、遂にグラントの計画は最終段階に至っていた。あとはそのタイミングを計るだけという所で、
「諦めぃ! ジブンに勝つ見込みはあらへんねん!!」
先ほどから思いっきり敗北フラグをおっ立てていることにこのトゲ頭は気付いていないのだろうか、そう思って軽く噴き出しながら、グラントは大上段から剣を振り下ろすキバオウ、厳密には単発垂直斬り「バーチカル」を放ってきたキバオウに盾を向けると…今度は受け流さず、武器と防具のインパクトのその瞬間に相手の剣を弾き返すシステム外スキル、パリィを敢行した。
そして、のけ反って数歩キバオウが自分から離れたのを確認すると、そのボタンをためらいなく、押した。
「めら☆ぞーまっ!」
キリトは見た。そうふざけた言葉を放ったグラントが最後に押したボタンが、「コンプリートリィ・オール・アイテム・オブジェクタイズ」というボタンだったのを。
アスナは見た。グラントがそのボタンを押した直後、キバオウの頭上に何やら圧倒的な質量、この世界の性質で言うならば圧倒的データ量をもつ何かが実体化しようとしているのを。
ハルキは見た。その何かの中には、グラントと共に一週間レベリングをした際にモンスターがドロップした素材アイテムがたんまりと含まれているのを。
そしてキバオウは見た。そんな直径三メートルはある球状のとんでもねぇアイテムの集合体が、次の瞬間には自分に向かって落下してくるのを。
デュエル決着の表示が上空に現れ、正式にグラントが決闘を制した事が周囲に知れ渡った。やがて彼が再びウィンドウを開き、先程押したコンプリートリィ・オール・アイテム・オブジェクタイズ、通称「全アイテムオブジェクト化」のボタンによって現出したアイテムを再びストレージに収納すると、そこには思わず伸びあがってみじめにぺしゃんこになっているキバオウがいた。
流石にどんまいである。勝者はグラントではあるのだが、そのあんまりな倒し方に周囲からはなんともな生暖かい視線を向けられていた。
「あんた、結構えげつないな。俺だってそこそこ手加減はしたぜ?」
「でしょ〜? だからやりすぎないように、とどめはいつもハルくんに任せてるんだぜ!」
「嘘つけ」
もう何と言うか、この二人ハチャメチャである。思わずキリトとアスナが遠目ながら頭を抱えたことは言うまでもない。
「分かったよ……よく分かった。君たち二人は、確かに強い」
そんな二人のもとにやって来たのは先ほどと同じ、まだ意識のあるだけましなリンドさん。なんか胸を星型に斬られた跡があるんですけど。さてはハルくんもだいぶ遊んだな?
「ハルキ君の柔軟で鋭敏な立ち
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