第四話 なんでや! VS なんかちがう!!
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ある片手直剣でも使えばええやろうに!」
「やだ!!」
「なんでや!!!」
「なんかちがう!!!!」
キバオウさん名言出ました! おめでとう! でも残念、グラントにはまるで通用していないみたいだけどね!!
という訳で、ああ言えばこう言うグラントに、いい加減本当にキバオウも我慢ならなくなってきたようだ。現実世界に比べてアバターの感情表現が若干過剰なこの世界である故か、彼は顔を見るからに真っ赤にしながら更に苛烈に剣を振り始めた。
「この盾アホめ!! なめてると痛い目見るで!!!」
一方、自身の攻撃が全く当たらないグラントは、この状況をどう打開したものかと割と冷静に考えていた。このキバオウという男、おそらくSTRを主軸に上げているのか力はかなりのものだが、剣の軌道は極めて単調で、正直あまり注意していなくとも攻撃を防げないという事はないだろう。モンスター相手なら問題なくても、対人戦では致命的な弱点である。なのであとは相手をぎゃふんと言わせる方法を探すだけなのだ。キバオウ涙目である。
(短剣が効かないとなるとネー……ほかの武器使うってのも、ポリシーに関わるし)
片手細剣は「ガラじゃない」
片手棍は「先っちょ重い」
片手斧は「先っちょ重い」
両手剣は「両手塞がる」
両手槍は「両手ってつくのヤダ」
……という訳で、彼はいかなる武器をも使用しない道を歩むことを決めたのだ。となると、武器でダメージを与える以外での攻撃方法を模索せざるを得ないわけで。しかも盾で殴ったってダメージは発生しないとか、さっきそれでキリトにLA取られちゃったし……。
と。
「あ、そうか」
武器でも、防具でもダメージを与えられないのなら。
―――ま、こんなもんだね。ソードスキルなんかに頼りすぎるからそうなるんだよ。
そんな声が耳を掠めていく。どうやら横ではハルキとリンドの決着が着いたようだ。加えその勝ち誇った様な声から察するに、ハルキがリンドを打ち倒したのだろう。次の瞬間に周りで事の成り行きを見守っていたプレイヤー達から歓声が上がる……そしてそれに一瞬気を取られたキバオウを見て、グラントはその隙に「それ」を決行しようと自分のウィンドウを可視化した。
そしてストレージタブに移動。セッティングボタン、サーチボタン、マニュピレート・ストレージボタンと、表示されるウィンドウの中の特定のボタンをタップしてゆく。
「何を企んでるかは知らんけど、小細工は通用せえへんで!!」
その間も左手の盾でキバオウの攻撃をいなしてゆく。その瞬間まで彼には密着していてもらいたいので、しっかり攻撃は受け流すようにして、相手に反動を与えないようにする。そういう所の技術
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