第四話 なんでや! VS なんかちがう!!
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宮区はおろか圏外にすら自由に出歩き続けることは難しいのだ。
彼らには、「信念」がある。普通と違うイレギュラーなスタイルを敢えて取るだけの、彼ら個人の確固たる意志があるのではないか。それはトッププレイヤーとしてというよりは、一人のゲームプレイヤーとしての直感だった。そしてそれを確かめるためにキリトはこの、なんとも不毛な決闘を静観する事を決めたのだった。
そして、やがてカウントダウンの残り時間表示が一秒になり…次の瞬間にはハルキとグラントの、言わば攻略組入隊試験が開始された。
「世間の厳しさ、教えたるわぁぁぁ!!!」
ただでさえ人相の悪いその顔をさらに歪ませ、キバオウはデュエル開始早々グラントに向かって突撃すると、上段突進技「ソニックリープ」を発動させ距離を詰めた。これをグラントは一歩も引かずに盾で受け止める。
うわ、怖っ。グラントは冷や汗をかいた。力めっちゃ強い。このキバオウというプレイヤー、なんか激おこである。いやお前さんのせいだろうに。
「デュエルは一対一や! 自分が攻撃せえへんと、勝てへんさかいな!!」
痛いところを突きますキバオウさん。グラントを挑発しながら立て続けに単発水平斬り「ホリゾンタル」を放ってくるあたり、実は煽り性能の高いゲーマーだったりして。むしろ一見煽り耐性低そうに見えるのに、人間分からないものだなあ。
仕方なくグラントも右手で腰に差していた短剣を抜き放つ。都合よく二人はインファイトの真っ最中であり、このトゲ頭は相手が攻撃をしてこないと高をくくっている。本来のスタイルではないが、この際しょうがない、グラントはそう自分に言い聞かせ、キバオウの剣を左手の盾で外側に受け流しながら右手に持った短剣を前に突き出して。
すかっ。
「……はぅ?」
ミス! キバオウにダメージをあたえられない!
ミス! キバオウにダメージをあたえられない!
ミス! キバオウにダメージをあたえられない!
「これはひどい」
キリトは絶句した。今彼の視界の先にいる盾男グラントは、あれだけ接近しているキバオウに向かって、一振りも自身の短剣を当てることが出来ていなかった。しかもキバオウが避けている訳でもなく、絶妙に彼の指一本分くらい手前を斬ってしまっているのだ。もう適性がないなんてレベルじゃない。
「何してんやで、ジブン」
これにはさしものキバオウも毒気を抜かれてしまった。初めの一刀は彼にとっては不意打ちの様なものだったので、やられたかと覚悟をしたのだったが…反応できていない相手にその刀身を触れさせることが出来なかった辺り、このグラントという男ただものではない。いろんな意味で。
「……やったらリーチの
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