第四話 なんでや! VS なんかちがう!!
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る。その正式名称は、「Dexterity」。
つまり、「器用さ」のことである。具体的には命中率やクリティカル率、攻撃速度の向上あたりがこれに該当する。その内容からもわかる通り、一般的なセオリーで言えばまずSTRなどで筋力パラメーターを上げておいた上で、攻撃の精度を上げるために補助的な意味でいくらか振ることがある、という程度の項目なのだ。このSAOという世界がただのMMORPGであるというのなら、クリティカルヒットを必中にさせるビルドなど独創的な育成をするのにある程度需要があっただろうが、一度ヒットポイントをゼロにさせてしまうと本当に死んでしまうこのデスゲーム内においてはほとんど優先されない項目なのである。
それをグラント君、「極振り」である。他のステータスはほぼ初期値のまま、DEX極振りである。
「なにやってんのグラント。流石に俺でもドン引きだぜ、それ」
「初心者のハルくんが言うかね、それ」
横から掛けられた声に、とほほと息を吐いてグラントは返答する。そのハルキもまた、もう一人のリーダーことリンドと向き合い、剣を構えていた。
そう、今の状況を簡単に言えば、問いただせば問いただすほど不安要素しか飛び出てこないこの二人について判断するには、実際に力量を測るしかないという事になり。ハルキはリンドと、グラントはキバオウとデュエルする事となったのである。フロアボス討伐直後だというのに、みんなお疲れ様である。
「ねえ、キリト君。あの落武者みたいな人、モンスターに殺されたい人なのかな?」
「さ、さあ……でも、本人は自分で『ガードホリッカー』って言ってたし、どちらかというとモンスターに殴られたい人なんじゃないか?」
どうやら先程のLA争いでグラントが見せた、実を受けドロドロになりながらも笑顔を浮かべ爆走する姿は年頃の少女には刺激が強すぎたらしい、アスナのグラントに対する評価は自身に下心を隠しながら言い寄る軟派プレイヤーに対するそれ同然にまで落ち込んでいるようだった。そんな彼女にキリトは苦笑いを浮かべながらも、数秒後には始まる二つのデュエルを見届けるべく、四人に目を向けていた。
キバオウやリンド、その他複数のプレイヤーが思うように、確かにこの世界でのステータス育成の失敗はそのまま、命の危険に直結しかねない。基本的には絶対にあってはならないのだ…あるいは、失敗したプレイヤーは今後必要以上に圏外へ足を運ばず、安全な街で攻略組がゲームをクリアするのを待つべきであるのだ。
だが、あの二人にそのような事が分かっていないとは、どうしてもキリトには思えなかった。この三層までの道のりも決して容易いものではない、きちんと敵の情報を把握し、目の前に立ちはだかる様々な問題を切り抜けてきたプレイヤーではないと、この迷
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