第四話 なんでや! VS なんかちがう!!
[3/11]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
メーターは何だったでしょう。
「……せやったら、相方のジブンもパラメーター上げてへんのか」
「おいおい、このグラント様をこんな新参者と一緒にしないでもらいたいね」
どこぞのビーターさんが第一層ボス部屋で言ってたようなセリフを吐きながら、グラントは得意げに鼻を鳴らす。
「そうか、それは安心したよ……それじゃあ見たところ君は壁戦士、タンク仕様の様だからSTRよりのVIT振りといったところだろうね」
そう、そのリンドの言葉こそが、攻撃よりも防御性能を重視したプレイヤーが行うべきステ振りである。防御の根幹たるヒットポイントと防御値をVITで強化し、また身に纏う重装備の筋力要求値を満たすためにSTRで補強するというのが、恐らくこのデスゲームを盾で生き抜くには最も安定したビルドという事になる。
「ちっちっち。甘いねーリンド君とやら。俺がそんなありきたりなビルドすると思う?」
「な…なんだって?」
よく見てほしい。グラント君、体にどこにも重装備らしき金属品を付けていない。まああの一層のコボルドの巣から脱出してまだ一週間といったところで装備の補強が出来ていないという面もあるが、そもそもロングヘアーやめてない時点でヘルメット装備なんてまるで被る気は無さそうだ。
「聞いて驚くなよ? 俺のパラ振りはだなぁ……」
それでは発表しよう。クイズの正解は。
というかスキルとかパラメーター情報はプレイヤーの生命線じゃなかったのかい、グラント。
「戦うさかいには、容赦はせえへんさかいな。覚悟してみぃ」
その数分後。グラントは数メートル離れた先で、やたらキャラの立っているトゲ頭のギルドリーダー、キバオウがこちらに向けて剣を突き出しているのを見た。その少し手前……二人の男のちょうど真ん中辺りには、「デュエル」開始までの残り時間を記したカウントダウンが表示されている。
どうしてこうなった。グラントは思った。
いや、正確には理由なんて解りきっている。調子に乗って自分のパラ振りを公開したとたん、攻略組のこちらを見る目がさらに剣呑なものになったのだから、そこに問題があるのだろう……だけど。
「いいじゃん別に!? パラ振りなんて人の勝手じゃね!?」
「アホちゃうか!? 一度死んだらアウトのデスゲームやで!? 趣味スキルの一つ二つくらいならまだええけどな……!」
怒髪天を突く、そんな形相のキバオウが、さらに言葉を言い放った。
「DEX極振りって、一体どういう神経しとるんやボケぇ!!!」
DEX。
この単語もまた、STRやAGIと同じパラメーターの項目の一つであ
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ