第四話 なんでや! VS なんかちがう!!
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どうしてこうなった。ハルキは思った。
いや、正確には理由なんて解りきっている。隣で鼻歌なんて歌ってやがるこの盾バカ野郎が、第三層フロアボス戦終盤に散々やらかしてくれた結果なのだから。
「……俺皆を助けに行こうとしただけで、別に色々掻きまわそうとした訳じゃないからね? っていうかそれくらい分かって?」
「安心していいよハルくん。別にハルくんを見てそうだって勘違いした訳じゃなくて、フツーにやったろうと思ってやっただけだから」
「余計にタチ悪いだろそれ」
今二人がいるのは先程と変わらず、アインクラッド 第三層迷宮区、ボス部屋である。一つ変わったことといえばそこにはもう、あの大木のように大きなフロアボスは存在しないという事だろうか。
そして、グラント達の前にはつい数分前までは共に戦った、攻略組の面子が群がっている。
「っていうかグラント、さっきの技なんだよ、あんなソードスキル覚えてたのか?」
「あ、ほら。初めて会った時、盾の熟練度がメチャ上がってたじゃん? あの時にちょっとね」
因みに彼は「ポイズンガード」以外に、同条件のプレイヤーの麻痺耐性を上げる「パラライズガード」もその時に習得していたりする。それ以外では「盾装備時に守備力上昇」的なステータス強化を何個かと言ったところだ。すごいぞ盾スキル。発動させる機会がとっても限定的な気がするけど気にしない。
「二人とも、待たせて済まない」
「ま、元はと言えばジブンらが突然混ざってきたのが悪いんやからな!」
そしてそんな二人に声を掛けてきたのは、現時点での攻略組のリーダー達…ここ第三層にてギルド結成クエストが発生した事によってようやく発足した二大ギルド、「DKB」と「ALS」のリーダーであるリンドとキバオウだった。
なるほど、ボス部屋に入る前の「〜ちゅう」とか「〜ねん」とかはこの人の声か、とグラントはキバオウの方を向きながら、一人納得する。
「それで、君達のことだけど、正直こっちの相談だけじゃどうしようもなさそうなんだ。そもそもうちとALS、どっちに入るのかだってまだ決めてないんだろう?」
「ちょぅ待てやジブン、こいつらを勝手に引き込むような抜け駆けは許さへんぞ!!
……そらともかく、確かに今回はようやった思うけどな。ふつうに戦えるプレーヤーならまだしも、ジブンら二人は完全にネタビルドやさかいな」
何となく雰囲気でわかると思うけれど、今彼らがここに引き止められている理由は他でもない、突然フロアボス攻略に乗り込んできたこの二人を攻略組の一員として認めるかどうかの議論の真っ最中だからである。
本来ならばフロントランナー達は新戦力は無条件に受け入れる形を取っている筈だったの
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