第三話 (×血みどろの 〇ち実ドロの)LA争い
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らに、自身の上端……大樹の枝先に沢山生っていた攻撃判定のある実を弾幕状に落としてきたのだ。
「う、うわっ!?」
「きゃあっ!?」
ここで予想外の攻撃に思わず横に飛びのいてしまったのがアスナさんとハルキ。残念ながら二人はLA争いからは脱落である。キリトさんはいつものことながら持ち前の反射神経で実を最低限かわしながら速度を落とさず疾走していたのだが、まーたやらかしてるのがグラントさん。盾を頭上に掲げて実を防ぎ、飛び出たドロドロの中身で全身を真っ赤に染めながら、流石ガードホリッカー、滅茶苦茶気持ち悪い笑顔を浮かべている。もう軽くトラウマものだぞ。
だがそこまでしても二人のステータスビルドの違いによってか、ボスにはキリトさんの方が先に到達するようだった。このままじゃLAとられちゃう! どうするグラント! どうするんだ!!
「させるかああぁぁぁぁっっっっっ!!!!!」
「なっ……うおぉぉっっ!?」
……またやってしまいました。いや今度のはちょっとまずかった。みんなドン引きだよ、今日ホント絶好調だね、どーした。
事もあろうにこの落武者男、ちょうど下段突進技「レイジスパイク」を発動させてボスに肉薄するキリトさんに向かって、盾をブン投げたのである。そしてその盾は上手い事ボスとキリトさんの剣の切っ先に割り込んで、そのソードスキルを失敗……ファンブルさせる事に成功してしまったのである。
この時、真の意味でボス部屋が凍り付いた。未だかつて、仲間の攻撃を妨害するプレイヤーがいただろうか。LA争いって、そうやって争うもんだっけ。
「はーっはっはっは、残念だったなキリトぉ!? LAは俺がいただ……く……」
とにかく、こうなってしまってはもうグラントの一人勝ちである。スキルをキャンセルされその場で尻餅をついて転んだキリトさんにもはや敵役が言うようなセリフを吐き、彼の前に転がっていた盾を拾い上げ余裕綽々でボスに接近して。
「……あり?」
がんがん。ごんごん。
「……おっかしいなぁ、なんでこいつ消滅しないんだ? ラグでも起きたか?」
がんがんがん。ごんごんごん。
「んー、まいったなあ。じゃあしょうがない、ハルくんから貰ったこれで……終わり!」
すかっ。
「…………」
「グラントさん、一応言っておくけど」
ぎくり、とその声に背筋を震わせて、グラントは振り返る。
「盾でモンスター殴ったって、ダメージ入らないぜ。 あと短剣は……残念」
ずががっ。
起き上がったキリトさんと追いついたアスナさんが落ち着いてボスにソードスキルを叩き込み、果たして第三層フロアボス攻略はここに終結しまし
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