第三話 (×血みどろの 〇ち実ドロの)LA争い
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「……ありがとな、グラント!!」
そして次の瞬間には、ハルキはフロアボス目掛けて弾丸のように駆け出していた。
「アスナ!! 今すぐ避けろ――――って、え?」
おそらくここまでのボス戦においてもっとも与ダメージ量の多いプレイヤーである「ビーター」ことキリトさんの横を、ハルキは目視出来ない程の速さで駆け抜ける。そしてキリトが呼びかけたその狙われた女性プレイヤー、アスナの前に躍り出て。
フロアボスから繰り出された鞭のようにしなる枝を自身の片手直剣で斬り落とし、そしてその惰性を利用して動けないアスナを抱えて横にジャンプした。
「す……すげえ……!!」
「誰だよ今の!」
ハルキの見せた一連の鮮やかな救出劇に攻略組全体がどよめいた。それこそまるでキリトがソードスキルを駆使して行うようなその場に適した挙動を、ハルさんは自身の能力のみでやってのけてしまったのだから無理もない。
だが当の本人はというとそんな外野の事は全く気にしておらず、抱えていたアスナを床に下ろすと、
「よっ。危ないところだったな」
「ど、どうもありがとう……あなたは?」
さすがSAO本編メインヒロイン。言うべきことが分かってるぅ。頼むからハルくん、アスナさんをキリトさんから奪わないでね?
「俺はハルキ。剣が好きな、ただのゲーム初心者だぜ!!」
うわー、くっさー。と、周りの皆は思った。残念ながら本人は気付いていないけど。でもこれで、ハルくんがアスナさんを取っちゃうことはなくなったな……と思ったのだが。
「で……でも、ハルキさん……? あなたは……!!」
直後。
そんな甘々なシーンにたっぷり時間を掛けさせてくれる程、ここのフロアボスは甘くはなかった様だった。特定モーションがあったわけではなかったが、攻撃モーションもしてこないあたり先程と同じ、毒の霧をまき散らそうとしている事が見て取れる。
(まずい……!!)
ハルキはアスナの口から放たれた最後の言葉に気を取られてその瞬間、反応が遅れてしまった。こういう事多いなハルくん。才能はマジでワールドクラスなのに全国大会出場止まりなのはそういうとこだぞ。
だが、今のハルキには。
「おうおうおう、無策で突っ込んじゃだめだろーよ?」
推定最狂の、盾使いがいるのだ。
「ぐ、グラント!?」
そう、やっとのことで前線に追いついた落武者男グラントが、二人の前に立ちはだかっていた。その表情は晴れやか、自信満々である。
「アスナ、無事か!? ……えっと、君たちは誰だ? ハルキさん? と……?」
そこにようやくキ
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