第三話 (×血みどろの 〇ち実ドロの)LA争い
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ポップするでしょ。
こっち今三体受け持ってるぞ、まぁメッチャ楽しいから良いけど」
「こんのガードホリックめ……たぁっ!!」
今現在、ハルキとグラントは背中合わせで戦っている。恐らく倒した数で言えば圧倒的にハルキの方が多い(というかグラントは端からモンスターを倒す気などない)のだが、それも二体以上に囲まれないように一対一のうちに手早く敵を倒しているからである。対してグラントは初めから一度に三体に囲まれ集中砲火を浴びながらも、それを平然と盾で受け切り受け流している。
だがその均衡も直後の一念発起したハルキの奮戦によって崩れた。目の前のネペントを目にも留まらぬ速さで斬り上げ、そのままムーンサルトの要領で宙返りして後方に飛ぶ。そしてグラントの目の前、彼を囲む三体のネペントの背後に降り立つや否や、手にした剣を左右に振り払う。もちろんゲーム内だからこそできる動きだ。……リアルでも出来るとか言わないでね?
「グッジョブ。さすが超人ソードマン」
「何かむかつくなそれ……まあ、それはともかくだ」
今日も絶好調のグラントに苦虫を?み潰したような表情を浮かべながら、ハルキは自身のウィンドウを手早く操作すると、アイテムストレージの中に入っていたそれを実体化させた。
「えっと? これ、何?」
「いいから持っとけって。大真面目にまずい事態になった時のためだ。ほんとは俺が使いたかったんだけどな」
ハルキによって半ば強引にグラントの空いた右手に押し込まれたそれは、第三層のモンスターからドロップする素材で作られる短剣、「ブルースティレット」だった。まあ、使用を強制されないのならこれくらい持っててもいいか……と、グラントは不承不承それを受け取り、やがてハルキから飛ばされてきたトレードを承諾した。
「って、俺が使いたかったって、ハルくん短剣も使えたりするんですかね?」
少し考えてその結論に至って、グラントが恐る恐るハルキに尋ね、そのソードスキル無しプレイヤーが不敵に口角を上げた、その瞬間だった。
「全員、後退――――ぐあぁぁぁっっ!!」
ただならぬ雰囲気に、二人はその悲鳴の出処……ボス部屋の中心に目を向けて、サッと顔色を変えた。
フロアボスのイビルトレントが全く予備動作なしに、その身体から紫色の霧の様なものを周囲に噴出させていた。そしてそれに包まれたプレイヤーが唐突に動きを止め、次の瞬間には壊れたゼンマイ玩具のように動揺し出したのだ。
「あれって……毒攻撃か?」
「うむ、恐らくはね……でも、あんな攻撃ベータテストのときには無かったぞ……!?」
いや、本当はちゃんと迷宮区攻略会議の時点で言ってたんだけどね?キリトさん達が情報
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