狙った相手が悪かった
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だろうし。
「間違ってたらぁ? う〜ん……そうだねぇ……『ゴメンね』って言う」
「……………ぶはぁ!! ゴ、ゴメンで済む訳ねーだろ(爆笑)」
全くだ、顔が倍近くに腫れ上がるほど殴っといてゴメンで済むとは思えないな。
もう既に心身ともゴメンで済まない自称凄腕の殺し屋は、お二人の遣り取りなど耳に入ってない。
心を重点的に壊され放心状態だ。
まだ気を抜くのは早いと思うぞ……このお二人を相手にはな!
「もう日付も変わっちゃってるし、そろそろお開きにする?」
もう終わることを匂わせ、油断を誘うリュカ様。
私は警戒を解きませんよ。
「あれ……マサオ君に聞かないの、重要な事?」
「え、重要な事? 初Hの思い出とか?」
それ重要ですかね?
「違ーよ。コイツは自称だがプロの殺し屋。って事はコイツに殺しの依頼をした奴が居る。重要だろ」
「誰でも良いよ。この状況が重要なんだから」
如何言うことだ?
「まぁ多分、依頼主はホザックだろう」
「火縄銃の件で恨んでいると?」
だとしたら恨まれるのは天才宰相閣下の方だろう……あの件の黒幕だからな。
「でも違ったらゴメンねじゃ済まないですよ」
「済ます気は無いよ」
いや国際問題になりますよ。
「一国の国王を暗殺しようとして失敗し捕縛される殺し屋。この件が知れ渡れば誰しもが“殺し屋は処刑される”と思うはず。でも投獄こそされるが生き残っていれば、周囲は何と思うかなぁ? まるで『司法取引』でもした様に見えない? 『依頼主のことを全て話すから、命だけは勘弁してくれ』ってさぁ!(笑)」
「でも何度も言うが間違ってたら大問題になる」
「お前だって僕に隠れて火縄銃開発……そしてそれ以上の兵器開発を企み実行しただろ。あの国だって王が命じて無くても、隠れて暗殺を手配した部下が居るかもしれない……と思い込むだろう。本当に居たって、殺しが失敗に終わってる状況で、王に正直なことを報告するはずも無い……と思い込む。こっちからのいちゃもんに、100%の自信を持って否定が出来ないんだ。火縄銃関連の武器開発情報を、まだ隠し持ってるかもしれない訳だし、家宅捜索の大義名分になるだろ(笑)」
「あぁ確かに」
悪魔が二人居る。
リュカ様のことは心から敬意を持ってるが、悪魔としか表することが出来ない。
「じゃぁと言う訳でピピン大臣」
「はっ!」
急に呼ばれて少し慌ててしまった。
「コイツは刑務所に放り込んで置いて。仮釈放無しの無期懲役ね。あと独房は禁止。皆に僕のタトゥー作品を見て欲しいからね。それと……渾名で登録する訳にいかないから、正式に○サカリ・マサオって記録しておいて」
そこまで指示を出されると、男でも惚れる様な仕草で翻り牢屋を出て行かれた。天才宰相閣下
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