狙った相手が悪かった
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し距離を1メートル未満まで縮めて、身体に染みついた動作でナイフを抜き、その動作のまま首を刈り落とすのだ!
くらえ!
俺は完璧な距離で、完璧な動作で、ターゲットの首にナイフを振りきった。
俺の視界にククリナイフがターゲットの首、数センチ……と言うとこで突如視界が急変した。
グランバニア国王の顔は視界に無く、代わりに満天の星空が目に映った。
そして視界が暗闇に閉ざされると、俺の右頬に激痛が走る。
一体……何……が……あった……?
首刈りマスターSIDE END
(グランバニア城地下牢)
ピピンSIDE
深夜……0時を回ろうとしたころ、リュカ様が訪ねてきた。
右手には見慣れぬ男を引き摺っている。
男の右頬は赤く腫れ上がっており、リュカ様に殴られたのだと推測される……生きてるのか?
なんでも、この引き摺られてる男に命を狙われたらしく、色々と確認したいので夜番の警備兵を2人ほど引き連れ、私にも立ち会えとの事だ。
リュカ様の命を狙うとは……馬鹿なのか?
今や地下牢としては使用してない牢獄の一番奥の部屋に、件の男を厳重に手枷足枷を施し、鉄製の椅子に座らせ鎖で縛り付け待機する。
リュカ様が同席されてるのだから、手枷足枷どころか紐で縛り付ける必要も無いのだが、男の安全の為に縛り付けておく。
程なくして使いに出していた兵士が、もう一人の重要人物を連れて、この牢屋へと入ってきた。
兵士の顔には「ウンザリ」の影が覗える。
深夜の呼び出しに、相当嫌味を言われたのだろう。
「何すかこんな時間に呼び出して。明日月曜の朝一じゃダメなんすか、リュカさん?」
相手が誰であろうとブレないこの精神力には敬意を表したいとは思うが、それをさせてくれないほどの性格が悪い宰相閣下がお出ましだ。
「コイツ、誰?」
宰相閣下の性格の悪さを唯一凌駕することの出来る精神力を持っているリュカ様が、深夜の呼び出しに対する労いも、状況の説明も……あまつさえ主語すらも省いた質問を浴びせかける。
「知るかよ!」
だろうな。
いきなり呼び出され、顔の腫れ上がった男を見せられても、答えが出る訳も無い。
「何だ何だぁ……今をときめく天才宰相閣下は、この有名人のことも知らないのかぁ(笑) 『天才』って言うのも、もう止めた方が良いんじゃねぇの?」
まだ意識の戻らない男の髪を掴み、顔を見える様にしての嫌味である。一体いつこの男が有名人認定されたのか?
「あ゛ぁ? 相変わらずムカつくオッサンだな」
「オッサンじゃ無い、イケメンだ」
そこ重要ですか?
「……ん? ちょっと其奴の腕、捲ってみろ」
必要無いだろうと思うが、建前上警備用に2人の兵士を男の後ろに立たせてあるのだが、そのうちの一人……ジャナン
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