第三百三十九話 帰り道その一
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第三百三十九話 帰り道
僕と香織さんは天理教の教会を後にした、後はもう八条荘に帰ることになった。それで教会を出た時に。
香織さんは僕に顔を向けてこう言った。
「またお邪魔したいわね」
「天理教の教会にだね」
「ええ、そう思ったわ」
「お寺や神社もいいけれど」
「天理教の教会もいいわね」
「そうなんだよね、八条家はお寺とも神社とも縁が深いけれど」
八条寺にも八条神宮にもお布施をしているしお供えもしている、こうしたことは立場があると絶対だ。
「あちらの教会ともね」
「縁があるのね」
「信者さんだからね」
天理教のだ。
「それでね」
「参拝させてもらったりして」
「教会長さんともお話してるよ」
総帥さんも含めてだ。
「そうした場所だから」
「縁が深いのね」
「そうなんだ、僕も子供の頃からよくお邪魔してるよ」
参拝もさせてもらっている。
「それでね」
「教会長さんともお話してるの」
「そうなんだ」
それこそ物心ついた時にだ。
「だから馴染みの場所でもあるんだ」
「子供の頃からなのね」
「親父にも連れて行ってもらったよ」
「それ言ってたわね」
「神仏を信じないってことはないからね」
親父はだ。
「だからね」
「天理教の教会にもなのね」
「よく連れて行ってもらったよ、親父はお寺にも神社にもよく行くよ」
「信仰心ある人なの」
「そうなんだ」
親父をよく知らない人はここで驚く、そうした風にはとても見えないとだ。
「これがね」
「傾いているから信じない訳じゃないのね」
「親父が言うにはそういうことじゃないらしいんだ」
信仰心はだ。
「よく人間より上の存在を意識しないとってね」
「言っておられるの」
「そうなんだ」
これがだ。
「それで僕もよく連れて行ってくれてるし自分でもね」
「行かれるの」
「そうなんだ、お布施もするよ」
「そうした人で」
「あと無神論も否定してるよ」
それも完全にだ。
「この世には絶対にね」
「神仏が存在しているのね」
「その存在を感じたこともあるって言ってるし」
「そうなの」
「思わぬところで助かったことがあったそうで」
親父が言うにはだ。
「そこからね」
「神仏を信じておられるの」
「子供の頃にそんなことがあったそうで」
それでだ。
「神様も仏様もね」
「信じておられて」
「お寺も神社も行ってるよ、ただカルトには気をつけろって」
「言われてるの」
「僕に言ってるよ」
おかしな宗教は確かに存在するとだ。
「そうもね」
「ああ、カルトね」
「やたらお金を欲しがったり好戦的だったりする宗教は」
「カルトなのね」
「そう言ってるよ」
子供の頃から言わ
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