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魔法絶唱シンフォギア・ウィザード 〜歌と魔法が起こす奇跡〜
G編
第102話:憂さ晴らし
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これまでの苛立ちをぶつけるように叩いた。
その直後、轟音と共にエネルギー制御室が切り離され、天高くへ打ち出されていく。
フロンティアは一見巨大な島の様に見えるが、その正体は複合構造船体の星間航行船……つまりは宇宙船である。特徴の一つとして各部が独立機能したブロック構造に分けられており、それらが複合的に組み合わさる事で一つの巨大な構造体として成立しているのである。
なので必要があれば新たな機能を作り出し接続する事も出来るし、逆に何か問題が起こったブロックを緊急措置で切り離し被害の拡大を防ぐ事が出来た。
フロンティアへのアクセス権を得たウェル博士はこれを利用し、自身にとって不要な存在であるナスターシャ教授をブロックごと大気圏外へと追放したのだ。
フロンティアの一部が轟音を上げて宇宙へと昇っていく。それにナスターシャ教授が居る事に気付いたマリアが思わず声を上げた。
「マムッ!?」
「有史以来、あまたの英雄が人類支配を成し得なかったのは、人の数がその手に余るからだ! だったら……支配可能なまでに減らせばいいッ! 僕だからこそ気付いた必勝法ッ! 英雄に憧れる僕が英雄を超えて見せる――!! ふへははは、うわはははははははぁッ!!」
ブロック切除は緊急手段であろう。本来は機能回復も絶望的でそこから被害が広がらないようにする為の機能。なので切り離したブロックやその内部の安全は度外視されている筈。切り離された時点で、そのブロックはフロンティアにとって無いものとされてしまったのだ。
その中に取り残されたナスターシャ教授の生存は絶望的だ。ブロックの耐久力もそうだが、そもそも教授は老体な上に病に侵されて体が弱い。そんな人物が、大気圏脱出の加速に耐えられるとはとても思えない。
「よくもマムをッ!?」
先程まで悲しみに暮れていたマリアは、怒りに心を奮い立たせ立ち上がりアームドギアを構えた。
「手にかけるのか? この僕を殺す事は、全人類を殺す事だぞッ!」
そんな状況でもウェル博士は余裕を崩さない。自分は殺されないと思っているのだろう。
先程、透に何だかんだで助けられた事で変な自信がついてしまったのだ。
だがその事を思い出すと、同時にクリスの言葉も思い出してしまった。
『お前みたいに誰かの後ろでコソコソしてるような奴が、英雄なんて器なもんかよ!』
『透みたいに、誰かの為に見返りを求めず戦えるような奴が英雄の器だ! 最初から英雄になろうとする奴が、そんな打算的な奴が英雄になんてなれるもんか!!』
「ッ!? えぇい、うるさいうるさい!? 英雄に……僕は英雄にッ!?」
脳内に浮かんだクリスの言葉を振り払うように頭を振るウェル博士。
一瞬訝しんだマリアだが、しかしナスタ
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