提督のBlackOps遍
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人能力が飛躍的に伸びていた。更に、標準装備として元戦艦である膂力を活かす為か刀を妖精さんから授かった。これも当然の如くウチの特産品(?)の深海鋼製の刃に変更済みである。掠るだけでも深海棲艦と艦娘の両者に致命傷を与える刀を、バーサーカーの様な彼女に持たせる。これは敵対者にとってみればただの悪夢か悪い冗談だろう。事実、第二改装を施された後の加賀は陸上に於てではあるが金剛を圧倒するだけの実力を示して、第二秘書艦ここにアリと鎮守府内に知らしめていた。
※なお、負けた筆頭秘書艦が旦那に泣き付き一晩中慰められた(意味深)のは内緒。
「今回は事前調査だから、ドンパチはしねぇと言ったんだがなぁ」
「私は提督の盾よ。常に傍に控えて護るのが仕事」
「とまぁ、本人が張り切っててなぁ」
「盾?鉄砲玉の間違いでは?」
「頭に来ました、その首落としてあげるわ」
冗談半分に軽口を叩く青葉に、そう言って腰に差していた刀に手を掛け、鯉口を切る加賀。
「ヒェッ……」
「冗談に聞こえねぇから止めろ。何かお前嫉妬深くなってねぇか?」
「…………気のせいよ」
ぷいっとそっぽを向く加賀。しかしその耳は真っ赤に染まっている。ポーカーフェイスと言われる加賀の数少ない感情の変化の指標である。
「やれやれ、これから敵の懐に飛び込もうってのに緊張感がまるでねぇな」
「油断はしてませんよ?これは余裕って言うんです」
「そもそも、貴方の鍛えた私達がそこらの艦娘に負けるとでも?」
「……だな。杞憂だったわ」
艦娘達は弛んでいる様に見えるが、これは敵に対して力むでもなく臆するでもなく平常心。そもそも、提督が自ら納得のいくまで鍛え上げた精兵。その力を疑うのは彼女達にも自分自身にも失礼だ。提督は再び煙草を咥え、火を点ける。紫煙を深く吸い込み、フーッと吐き出した。
「さぁて、鬼が出るか蛇が出るか……楽しみじゃねぇの?」
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