第15話 姉上と正宗
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爺々様、その方はどなたです」
私はお爺々様に女性のことを聞きました。
「何を言うておる。お前の姉の劉岱じゃろうが。まあ、お前は小さい時以来、一度も会っておらぬ故、仕方ないかの。洛陽に来てからも燐が忙しくて会う暇もなかったしの」
「えーーー、姉上ですか?」
私の目の前の女性は、スレンダーで黒髪のボブカットが似合う大人な魅力を漂わせる凄い美人です。
小さいころの面影が若干ありますが、こんな美人になっていたなんて・・・。
「い、痛いっ!」
私が姉上をじっと見ていると麗羽が頬膨らませて、ご機嫌斜めでした。
「麗羽、痛いじゃないか」
「正宗様を見ていたら、何か無性に腹が立ちましたわ!」
「あなたが袁紹殿かしら。私は劉ヨウの姉の劉岱です」
私が麗羽は宥めようとしていると姉上がこちらに近づいて、麗羽に話かけてきました。
「正宗様のお姉様ですのね。はじめまして、袁紹と申します。正宗様とは懇意にさせていただいております」
本当に、麗羽は変わったなと思いました。
たった、出会ってから数ヶ月しか立っていないけど、以前は、この挨拶すらできない子でした。
『オーーーホホホホ、私が名門の出の袁本初ですことよ!オーーーホホホホ!』
昔ならこういう挨拶をしたと思います。
姉上は麗羽の挨拶に驚いているようでした。
「それで姉上はどうして此処に?」
あの後、私と麗羽は休憩を取ることにしました。
お爺々様と姉上も一緒に、寛げそうな場所に敷物を敷いてのんびりとしています。
「どうしてとは何なの。折角、暇が出来たので、弟と話でもしようと思ったのに・・・。正宗は楽しそうでいいわね」
姉上は機嫌が悪そうでした。
「そう、拗ねるでない。正宗と麗羽は遊んでいたわけではないのじゃから」
「気になったんだけど、袁紹殿は何故、剣術なんてやっているのかしら?」
「それは正宗様の見聞を広めるための旅にお供するためです」
「健気ね。お爺々様に聞いてはいたけど、なんで正宗、あなた旅にでるわけ?この洛陽でも十分に情報は集まると思うわよ」
姉上は麗羽の言葉に、勝手に納得して、私に旅に出る理由を尋ねてきました。
「洛陽に入ってくる情報を見聞きするより、自分の目で見た方が良い経験となると思ったからです」
本当のことは言えなかったので、もっともらしいことを言いました。
「取って付けた様な言い方がちょっと気になるけど・・・。正宗、あなた本当に7歳なの?とても7歳の子供が考えることじゃないわ。普通、あなた位の年頃なら、遊ぶことに一生懸命だもの。お爺々様や父上達にあなたのことを聞かされたときは半信半疑だったけど・・・。こうやって対面すると実感す
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