第15話 姉上と正宗
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愚痴りました。
「それより、袁紹と恋仲というのは本当なのですか?」
私はお爺様の言葉を無視して言いました。
「じゃから、何度も言うておろうが・・・。ああ、正宗と麗羽は恋仲じゃ。それも麗羽の一目惚れのようじゃが。別によいではないか。家柄とて申し分ないじゃろうが」
お爺々様は面倒臭そうに私に応えてきました。
私の預かり知らないところで、こんなことが起こっていたなんて・・・。
衝撃の事実だわ・・・。
お爺様の話では、袁紹は真面目に文武に励んでいるそうなんだけど・・・。
そんなに簡単に人って変われるものなのかしら。
洛陽中で暗愚と言われた人物のことだけに、信じられませんでした。
「燐、そんなに心配なら、2人の稽古を見物にでも行けばよいではないか。面倒じゃが、儂が連れて行ってやる」
お爺々様は私の不信な表情を読み取ったようで、弟と袁紹が居るところに案内してくれるそうです。
しかし、あのお爺々様がこんなに好意的なんて、そんな袁紹は好人物なのかしら。
正直、想像が付かないわ・・・。
私とお爺々様は弟と袁紹の稽古している場所に出向くことになりました。
「もう少し踏み込んで!」
「はい!」
私は今、麗羽と剣術の鍛錬をしています。
もちろん剣は木剣です。
私達は、私塾が終わって直ぐに、馬に乗ってこの鍛錬場に来ました。
最近、猪々子も鍛錬にときどき参加することがあります。
彼女の場合、食い気が勝っているようで、ほぼ不参加です。
今日も、猪々子は良い店を見つけたと斗詩を連れだっていなくなりました。
2人とも主人を置いていくのはどうかなと思ったけど、麗羽は機嫌が良かったです。
「隙ありですわっ!正宗様!」
「うおおぉっと!麗羽危ないじゃないか」
危うく頭に剣が当たるところでした。
「正宗様がボーーーとしていらっしゃるのが悪いのですわ。いつも私に余所見をするなと仰っているじゃありませんか」
「あはははっ、そうだね。麗羽に一本取られたよ」
私は麗羽の言葉に、笑いがこみ上げてしまいました。
「うふふふっ!」
麗羽も私の笑いにつられて、笑いだしました。
「おお、何やら楽しそうじゃの、正宗」
私達の会話に入ってきた人物の声は、お爺々様のものでした。
「わざわざどうしましたのお爺々様。あら、その方はどなたですの?」
麗羽が先にお爺様に話しかけてきた。
「そうですよ、どうしたんですか」
私もそういって、声のする方向に顔を向けるとお爺々様ともう1人女性が立っていました。
何処かで見たことのあるような気がするのですが・・・。
誰でしたっけ?
「あのお
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