第二十五話 アルバイトもしてその十一
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「なくなるわよ」
「そうなのね」
「お母さんのお祖父さんがそうでね」
「ひいお祖父ちゃんね」
「お父さんのお父さんがね」
その人がというのだ。
「ずっとだったのよ」
「お金に困ってたの」
「お店は今も続いてるけれど」
それでもというのだ。
「中々ね」
「お金はなの」
「そう、なくて」
「困ってたの」
「お祖父さん気前がよ過ぎて」
「それでなの」
「お店の人にも商品にもお金出して」
それでというのだ。
「お金はね」
「なかったの」
「それでなくなったら」
その時はというのだ。
「もうね」
「すぐになの」
「なくなるのよ」
「それがお金なのね」
「そうよ」
まさにというのだ。
「だからね」
「私も無駄遣いしないで」
「そうしていってね」
「わかったわ」
咲は腕を組んで頷いた。
「それじゃあね」
「そういうことでね」
「していくわ」
こう母に約束した。
「絶対にね」
「そうしてね、お金はね」
「すぐになくなるのね」
「無駄遣いすればね」
それでというのだ。
「そうなるものよ」
「寂しがり屋で」
「そのこともあってね」
「このことも覚えておくわね」
「ええ、お金はね」
「寂しがり屋ね」
「沢山あるところにね」
そこにというのだ。
「集まるのよ」
「つまり無駄遣いしないと」
「どんどん集まっていいこともあったりしてね」
「余計に集まるのね」
「普通のお家だとね」
母は自分達の暮らしからも話した、都内で一軒家はかなりだと自分でも思っているが実は社宅であるのだ。
「そんなお金持ちになれないでしょ」
「そうそうね」
「それこそスポーツか漫画か小説で活躍しないとね」
「まずないわね」
「そんな人達でも色々大変なのよ」
「税金とかで?」
「そう、新庄さんみたいに年棒二千万の時に一八〇〇万の車買ったら」
それこそというのだ。
「どうなるか」
「いや、それ極端な例よね」
「新庄さんだからね」
「あの人はちょっと凄いから」
普通とは違うとだ、咲も言った。
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