第二十五話 アルバイトもしてその七
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「やっぱり」
「高校はそちらで高校を卒業されて」
そうしてというのだ。
「こちらに戻って」
「東京の方に」
「それである人にタロットを教わって」
「占い師さんになられたんですね」
「そうらしいけれど詳しいことはね」
「謎の方ですか」
「背丈とか体重とかスリーサイズは公表されてるけれど」
店のサイト等でそうしているのだ、速水はそのルックスでも評判であり店のスタッフ達が彼のそうしたデータもサイトに掲載しているのだ。
「東京生まれ以外は生年月日もね」
「公表されていませんか」
「お名前は本名らしいけれど」
それでもというのだ。
「血液型もね」
「謎ですか」
「好きな食べものは何でもね」
「どんなものでもですか」
「和食系がお好きとのことだけれど」
「好き嫌いはなしですね」
「そうみたいね」
このこともわかっているというのだ。
「趣味は占いで」
「お仕事を離れても」
「ええ、あとお酒もね」
こちらもというのだ。
「お好きで」
「そういえばそんなこと言われてました」
「そうでしょ、ただそれでもね」
「生年月日のことといい」
「謎の多い方よ」
速水はというのだ。
「実際にね、そしてね」
「そして?」
「その謎の多さがね」
大学生は咲にここで笑顔を見せた、何処か楽し気なそれを彼女に見せてそのうえでさらに話したのだった。
「ミステリアスであの人の魅力の一部でもあるのよ」
「そう言われると」
咲もはっとなった。
「謎が多いだけに」
「尚更でしょ」
「はい」
まさにと答えた。
「尚更です」
「あの人は魅力的ね」
「あのルックスに物腰に」
「占いは当たって」
「そして謎が多くて」
「ミステリアスな要素も加わってね」
そしてというのだ。
「尚更ね」
「魅力的ですね」
「あの人はね」
「本当にそうですね」
「だからいいのよ」
「謎が多くて」
「それでね、むしろ謎がないと」
それならとも言うのだった。
「あの人の魅力がかなりね」
「なくなりますね」
「そう、だからね」
それ故にというのだ。
「私としてはね」
「店長さんには謎が多いままで、ですね」
「いて欲しいわ」
「そうですか」
「特にプライベートのことがわからない」
「何かそんな空気ないですね」
「それがね」
「いいですか」
「あのプライベートを感じさせないところもね」
このこともというのだ。
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