第百九話 張三姉妹、呼ばれるのことその四
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「それじゃあ」
「そうよね。あそこの料理って辛くて凄く美味しいらしいし」
「それならね」
「じゃあそこね」
「今から向かいましょう」
「そういうことだから」
張角は笑って舞に述べた。
「今から成都に行くから」
「劉備さんに宜しく言っておいて」
「あの人は確か益州の牧でもあられるから」
そうした伝言もだ。三姉妹は舞に伝えた。しかしだ。
その舞がだ。三姉妹に言った。
「ここまで話してだけれど」
「うん、何かあるの?」
「洛陽は一つも出てないわよね」
舞が言うのはこのことだった。
「それどうしてなのかしら」
「あっ、そういえばそうね」
「言われてみれば」
ここでだ。張梁と張宝も気付いた。舞に言われてだ。
「そういえば最近洛陽にも行ってないし」
「都には」
「だからどうかしら」
舞は笑顔で話す。
「都にね。来てくれる?」
「別にいいけれど」
張角は特に思うことなく答えた。
「成都には何時でも行けるし」
「決まりね。実はね」
「都で私達に来て欲しい理由があるのね」
張宝はいつもの淡々とした調子で舞に尋ねた。
「歌で元気を出して欲しいとか」
「具体的に言えばそうよ」
まさにそうだとだ。舞は答えた。
「隠すつもりはなかったけれど言うのが遅れたわね」
「それは別にいいわよ」
張梁がそれはいいとした。
「ただね」
「ただ?」
「あれよね。あたし達を都に呼んで歌わせて」
張梁も察していた。呼ばれる理由を。
「大きなことの前に士気を鼓舞するのね」
「えっ、じゃあそれって」
それを聞いてだ。張角がだ。
おっとりとしているが驚きも入った声でだ。こう言ったのだった。
「まさか戦があるとか」
「そうじゃないの?何か都であって」
「そのせいで」
「ああ、気付いたわね」
舞は三姉妹がそれぞれ言うのを聞いて自分からも言った。
「まあね。ちょっと出陣があるのよ」
「やっぱりそうなの」
「ひょっとしてって思ったけれど」
「そうなのね」
「そうよ。それであんた達の歌でね」
三姉妹の歌には絶大な威力がある。それは黄巾の乱において証明されている。しがない旅芸人だったことはもう過去のことだ。
「もう士気を全開にしてね」
「戦に向かうのね」
「そうしたいのよ。どうかしら」
あらためてだ。舞は三姉妹に尋ねた。
「劉備さん達も他の皆もね」
「来て欲しいのね」
張宝が言う。
「皆が」
「ううん、何か物騒な状況みたいだけれど」
張梁は腕を組み少し難しい顔で述べた。
「それでも。劉備さんに呼ばれてるのならね」
「そうよ。劉備さんお姉ちゃんにそっくりだし」
張角が言うのはこのことからだった。
「それじゃあ是非助けないと」
「お姉ちゃんにそっくり
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