戦いの合間に……(IFセレナバースデー2021)
[6/6]
[8]前話 [9]前 最初 [1]後書き [2]次話
んと謝るんですよね?」
「え、ええ……。でも、セレナが先に入ってくれない……?その……気まずいから……」
「も〜、仕方ないですね」
言いよどみながら目をそらすマリアに、セレナは肩を竦めながら先を行く。
セレナが食堂の入り口に立つと、自動ドアが左右にスライドし……
その瞬間、周囲の照明が一斉に落ちた。
「ッ!?停電……!?」
驚くセレナ。左右を見回すが、真っ暗で何も見ることが出来ない。
「姉さんッ!そこにいますか!いったい何が……」
マリアがいた背後を振り返ろうとしたその時──パンッ!と連続した軽い破裂音と共に、照明が一斉に点灯する。
「「セレナッ!」」
『副隊長ッ!』
『ハッピーバースデー!!』
「……えっ!?」
驚くセレナ。その顔を逃すまいと、ナツミはシャッターを切った。
「パーティープロトコル、大成功ね!」
「えっと、姉さん……これはいったい?」
困惑して目を白黒させるセレナに、マリアとツェルトは笑いながらタネを明かす。
「セレナ、忙しくて誕生日忘れてただろ?」
「だからサプライズしようって、ツェルトが企画したの」
「マリア、名女優だったぞ!」
「って事は、報告会前の喧嘩とか、気まずいから謝りたいってのは……?」
「まあ、あの時のは演技じゃないけどね……」
「会場の飾り付けするのに、身長が足りなかったんだ。大目に見てくれよ」
「しょうがないわね……今回だけよ?」
悪戯っ子の笑みと共にこちらを見上げる姉と義兄。
そして、入念に準備を重ねた完璧なサプライズ。
セレナは思わず、二人を抱きしめていた。
「ちょわっ!?セレナ!?」
「ちょっと!?いきなりどうしたのよ!?」
「マリア姉さん、ツェルト義兄さん!私……今、とっっっっっても嬉しいですッ!!」
大きな身体でぎゅう〜っと抱きしめてくる妹に、マリアとツェルトは顔を見合せクスッと微笑む。
そして、セレナの頭を撫でて囁いた。
「当然よ。可愛い妹なんだもの」
「いつも小さくなった俺達の分まで、苦労させてるからな。今日くらい、いつもの2倍は甘えてくれよ」
「はいッ!今日はい〜〜〜っぱい、甘えさせてくださいねっ!」
こうして、平行世界を渡る艦の中で、賑やかなパーティーが始まった。
別世界のマリアとツェルト、セレナもまた、あの世界で戦っている3人と同じように、大切な家族と共に幸せな誕生日を送るのだった。
[8]前話 [9]前 最初 [1]後書き [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ