戦いの合間に……(IFセレナバースデー2021)
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ご苦労様。進捗は?」
「バッチリっす!予定時間までには確実に終わるっすよ」
「よし……皆、準備はいいな!!」
声を張り上げると、隊員達は手を止めてこちらに注目する。
「あと7分後、マリア隊長がターゲットを連れてくる!その前に最終確認だ!」
食堂に集まった全員を見渡して、俺は点呼を始める。
「装飾班!会場の飾り付けは?」
「たった今、完了しました!」
「サプライズ班、クラッカーの配布とくす玉の設置は?」
「くす玉は天井に設置済み。クラッカーは隊長の分を残すのみです!」
「調理班!パーティー料理とケーキの準備は?」
「既にテーブルに配置完了!ケーキはいつでもローソクに火を灯せます!」
「よしッ!!」
そして俺は、マリアの端末に合図となる暗号を送る。
【石は揃った。いつでもスナップを】
送信完了の表示を見た俺は、拳を勢いよく天井へと突き上げた。
「それじゃ、始めるぞ!!副隊長、セレナの誕生日パーティーだ!!」
『了解!!』
この場にいる全員が気持ちをひとつに、拳を掲げる。
残り時間を確認しながら、俺達は息を潜めてその時を待った。
ff
「も〜、姉さんったら素直じゃないんですから〜」
「しょうがないじゃない……。わたしも悪かったと思ってるわよ」
食堂へと続く廊下を歩きながら、マリアはセレナの前を歩いていく。
「ツェルト義兄さんに謝りたいから付いてきてほしい、だなんて……姉さん、いったいどんな事を言ったんですか?」
「な、なんだっていいじゃないの!でも、セレナにも付いてきてほしいの!」
「もう……姉さんったら。でも、そういう素直じゃない所も可愛いです」
「可愛いって言うな!」
プンスコするマリアの小さな背中を、微笑ましげに見守るセレナ。
事情を知らない者がからすれば、一見どちらが姉が分からなってしまうだろう。
呪いのせいで肉体が子供のままだからか、マリアとツェルトは精神的にもやや幼い。
ちょっとした事で口喧嘩したり、見え透いた意地を張ったりと、二人の言動は多感な15歳の少年少女そのものだ。
しかし、物事の捉え方や戦場における判断力、多くの隊員達に信頼されるカリスマ性など、実年齢である22歳らしい部分も存在している。
身体は子供、精神は大人。精神的には成熟しているが、小さな肉体に態度が引っ張られているのだ。
なので、隊員達から見れば二人の喧嘩は、犬も食わない夫婦のそれなのである。
無論、間に入ってそれを諌めるセレナの存在も含めて……。
「…………」
食堂の前で立ち止まるマリア。
しかし、食堂に入ろうとしない。
気まずいのだろうか、と察したセレナはマリアの肩に手を置く。
「姉さん、ちゃ
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