第三百三十八話 教会の人達その十四
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「食べる?」
「ううん、私も後で食べるしね」
八条荘でというのだ。
「だからね」
「それでなのね」
「今は遠慮させてもらうわ」
「そうするんだ」
「それにこれまでかなり食べたし」
「神社でね」
「だからね」
それでまだお腹が膨れているというのだ。
「いいわ」
「それじゃあ」
「また機会があれば」
天理教のお雑煮はというのだ。
「いただくということで」
「今はだね」
「それでね」
香織さんは僕にさらに言った。
「ちょっとよく見たいけれど」
「神殿の中を?」
「学園の教会でも見たけれど」
それでもというのだ。
「神社やお寺とはまた違ってね」
「興味持ってくれたかな」
「落ち着く感じね」
「うん、これが教会なんだ」
天理教のとだ、僕も答えた。
「それでね」
「それで?」
「普通に小さな子もいたりするんだ」
「そういえば学園の中の教会もそうね」
香織さんは僕の言葉に思い出した顔になって応えた。
「普通に教会長さんのお子さんおられるわね」
「そうだよね」
「それで小学校や幼稚園の子供達も来て」
「遊んでるよね」
「そうした時があるわ」
「天理教の人って子沢山の人が多いんだ」
何人もお子さんがいる教会も多い、今の日本でお子さんが五人も六人もおられるお家なんてそうそうないのにだ。
「それでね」
「小さな子もいるのね」
「自然にね」
「そうなのね」
「お母さんが小さな子を連れて」
そうしてだ。
「一緒に参拝してもいいんだ」
「そうした場所なのね」
「堅苦しくないよ」
その要素はないと言っていいと思う。
「全然ね」
「じゃああと少し」
「ここにいるかな」
「そうさせてもらっていいかしら」
「いいよ」
教会長さんが笑顔で答えてくれた。
「好きなだけいてもね」
「そうですか」
「誰かが来てくれたら」
それでというのだ。
「おみちは嬉しいからね」
「だからですか」
「そう、もうね」
いたいならというのだ。
「好きなだけね」
「この教会にいて」
「ゆっくりしていってね」
「そうした場所だから」
「是非ね」
「何か」
また香織さんが言った。
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