第三百三十八話 教会の人達その十一
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「あと簡単な芸とかもね」
「されるんですか」
「本当にそっくりだから」
兎に角このことが大きい。
「だからね」
「そうしたこともされるんですね」
「今もね。そこまでそっくりだから」
「だからですか」
「多分これからも」
「お二人で」
「そうした芸もしていくわ」
こう言うのだった。
「中にはリンリンランランとかザ=ピーナッツとか」
「ああ、双子みたいに」
「歌うこともあるわ」
「双子ではないですが」
「それでもね」
そっくりさんだからだというのだ。
「二人でね」
「歌われることもあるんですね」
「そうなの、だから間違えられることはあっても」
それでもというのだ。
「嫌じゃないの」
「そうしたことも出来るので」
「そうなの」
こう僕達にお話してくれた。
「お互いに仲がいいしね」
「そのこともあってですね」
「ええ、あと従姉妹に後輩君会ってもらったの」
「お聞きしましたけれど」
娘さんから言ってきたので僕も話に出していいと思って応えた。
「天理高校の後輩の人とですね」
「いつも会う様になって」
「それで、ですね」
「何かね、妙に会う時が多くて」
それでというのだ。
「お話をして」
「そうしてですか」
「おみちのことも教えたりしてるの」
「そうなんですね」
「それで従姉妹の娘と後輩君が会う時があったけれど」
その時にというのだ。
「その子も私と間違えなかったの」
「従姉妹の人と」
「そうだったの」
「従姉妹の人とお付き合いしている人と同じで」
「何か雰囲気や仕草がね」
そうしたものがというのだ。
「全くね」
「違うからですか」
「わかるらしいの」
「そうですか」
「だからわかるらしいの」
外見がそっくりでもというのだ。
「これがね」
「そうなんですね」
「もうわかるならいいね」
教会長さんはここでも笑顔で言われた。
「その後輩の子は」
「どうしていいの?」
「千里もそのうちわかるよ」
ここで娘さんの名前も言われた、この人のお名前は中村千里さんというのだ。
「どうしていいかね」
「そうなの」
「そうだよ、あと千里は寝ないのか」
「さっきまで寝てたから」
見れば幾分すっきりしたお顔だ。
「だからね」
「もういいか」
「ここは私がいるから」
それでというのだ。
「お父さん休んだら?」
「いや、女の子一人だとな」
「駄目?」
「ちょっと心配だからな」
「そうなの」
「暫くお父さんもいる、一緒にいよう」
「それじゃあね」
娘さんもそれならと頷いた、そして教会長さんの隣に座ると教会長さんは今度はこんなことを言われた。
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