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八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる
第三百三十八話 教会の人達その八

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「何かとね」
「そうなんですか」
「このまませいじんするといいようぼくになりそうだし」
「せいじんっていいますと」
「ああ、成長するってことだよ」
 教会長さんは香織さんの質問にすぐに答えた。
「人としてね」
「それがせいじんですか」
「成人、大人になるってことだよ」
「それで成長なんですね」
「そうだよ、あとようぼくはね」
 この言葉のことは教会長さんから話してくれた。
「天理教は満十八歳からおさづけの理を十回おみちのお話をおぢば、天理の方で聞かせてもらってようぼくという正式な信者にならせてもらうんだ」
「正式な信者さんですか」
「うん、勿論そうでなくても信者さんだけれど」
 それでもというのだ。
「ようぼくになればさせてもらうことが増えるんだ、教会長さんにならせてもらう講習も受けられる様になるし」
「重要なものですか」
「それにならせてもらえるから」
 だからだというのだ。
「ようぼくにならせてもらうことは大切なことなんだ」
「天理教にとっては」
「そうなんだ、だからね」
「このことはですね」
「覚えておいてね」
「わかりました」
 香織さんは教会長さんの言葉に頷いた。
「そうさせてもらいます」
「それではね、あと折角来てくれたし」
「はい、参拝をですね」
 僕から言った。
「それをですね」
「してくれるかな」
「そうさせてもらいます」
 こう教会長さんに答えた。
「今年も」
「ではお願いするよ」
「これから、じゃあ一緒に参拝してくれるかな」 
 僕は教会長さんとのお話の後で香織さんにも言った。
「天理教の教会でも」
「ええ、確か真ん中の祭壇が神様で」
「親神様でね」
「私達から見て右手が教祖様で」
「左が祖霊様だよ」
 それぞれ天理教では『おやさま』『みたまさま』と呼ばせてもらっている。
「それぞれにね」
「四回手を合わせて拝礼して」
「それからまた四回手を合わせるんだ」
「そうだったわね」
「神道とはまた違う参拝の仕方なんだ」
 天理教のそれはだ。
「学園の天理教の教会で参拝する時と一緒だよ」
「そうよね」
「そうしてね」
「わかったわ、それじゃあね」
「今からね」
 参拝をしようと言ってだった。
 僕達は天理教でも参拝をさせてもらった、そしてそれが終わってから僕達は帰らせてもらおうとしたが。
 神殿にこの教会の一番上の娘さんが来られた、法被姿に動きやすいズボン姿のその人を見てだった。
 香織さんは思わず僕にこう言った。
「あの、本当にね」
「マジックの一番上の娘さんそっくりだね」
「そうね」
「そうなのよね」
 その娘さんも笑って言ってきた。
「私達ってね」
「そっくりですか」
「そうなの」
 ご本人の言葉だ。
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