第三百三十八話 教会の人達その七
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「沢山あるよ、教会は世の中を知ってこそ」
「そうしてこそですか」
「来てくれる人たちのお話を聞かせてもらって」
そうしてというのだ。
「お話が出来るから」
「だからですか」
「うちの娘も」
「変化球や横道をですか」
「知って欲しいよ」
「そうお考えですか」
「うん、まあそれもこれからね」
教会長さんはこうも言われた。
「知っていくかな」
「世の中のことを」
「高校を卒業して大学に入っても」
そうしてもというのだ。
「人生まだはじまったばかりだからね」
「大学に入っても」
「人生は二十五歳で暁と言うよ」
教会長さんはこの言葉も出した。
「白浪五人男だよ」
「あの五人がそれぞれ名乗りを挙げる」
「そこにはないよ、最後の極楽寺の場面で言うんだ」
「そうでしたか」
「あまり上演されない場面だけれど」
五人男は呉服屋に入る時と五人が揃う時がよく上演される、だからその他の場は上演される機会が少ないのだ。
「そうした言葉があるんだ」
「二十五歳で、ですか」
「だから大学に入っても」
それでもというのだ。
「十九歳で教会長さんになった人はおられても」
「大抵はですか」
「そうだよ、まだまだだよ」
そうだというのだ。
「おみちのことは」
「だからですか」
「相手の子が大学を卒業する位でね」
その後輩の人がというのだ。
「考えていくよ」
「その前に相手の人が言ってきたら」
「もうその時はその時だよ」
その場合も考えているという返事だった」
「是非だよ、相手の子が十八歳なら」
「結婚出来る年齢ですね」
「それ位で高校卒業していたら」
例え相手の人が高校を卒業していなくてもというのだ。
「構わないよ」
「そうですか」
「うちの娘は卒業してもらうけれど」
「相手の人は」
「彼がまだ勉強したいならそうしてもらって」
「教会に入りたいのなら」
「そうしてもらうよ」
選んでもらうというのだ。
「そうしてもらうよ」
「わかりました、そういうことで」
「僕も考えているよ」
「娘さんのことを」
「そうだよ、まあ彼は今日は来ないけれどね」
元旦はというのだ。
「毎年彼が所属している教会に行っているからね」
「その平野の系列の」
「そちらの教会にね」
「だからこちらにはですか」
「来ないよ」
「何かお会いしたいですね」
香織さんはここでこう言った。
「その人と」
「面白そうだよね」
「はい、ですから」
「実際面白い子だよ」
その後輩の人はというのだ。
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